爽春の風
- 公開日
- 2013/04/09
- 更新日
- 2013/04/09
校長室から
作品第1023番 −宮沢賢治−
南から
また東から
ぬるんだ風が吹いてきて
くるほしく春を妊(はら)んだ黒雲が
いくつもの野ばらの藪(やぶ)を渉(わた)って行く
ひばりと川と
台地の上には
いっぱい種苗を積んだ汽車の音
仕事着はやぶけ
いろいろな構図は消えたけれども
今年は おれは
ちょうど去年の二倍はたしかにはたらける
昨日は「志の式」、今日は「第7回入学式」、今年もまた「志 風の学期」が動きだした。
爽春の風は気まぐれだ。疾風と春風駘蕩をくり返し、木々から花を強引にさらっていく。花を惜しむ心は皆一様である。しかし、いずれ山々の色がうすら白く新芽を生み出すころ、やはり皆一様に新しい希望を見いだすことになる。
「どんな風になりたいのか心に描き出そう」、「どんな場所でどんな風に吹かれたいのか、近い未来の絵を描こう」。そう話した自分はどんな風になれるのかと、雲の上から違う自分が問うている。
古い蔵書の中から、宮沢賢治という先人が、読んでごらんとページを開けてくれた。「今年は去年の二倍は働ける」と言えば笑われるだろうか。
2013.4.9
校長 村上 幸一