京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/07/25
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心豊かな人=感謝できる人 に育つ翔鸞幼稚園の教育

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 心豊かな人=感謝できる人=人生が豊かに過ごせる人・・に育ち育てる  翔鸞幼稚園の教育

 心豊かな人は,感動できる人だろうと思います。感動できる人は「すごいなあ」「うれしいな」「ありがたいな」「どうもありがとうございます」と素直に感謝できます。感謝できる人は,「どうもありがとうございます」「そんなにしてもらって,すごいですね。(わたしもそうなりたい)」と他人から学ぼうとしている人です。人生をはるかに豊かに過ごせる人です。
 翔鸞幼稚園では,感動できる人,素直に感謝できる人を育ち育てています。

 エピソードを2つ読んでみましょう。
1 私が若い時に,今は亡き山田無文ご老師様(1900〜1988,花園大学学長,妙心寺派管長)の書かれた本を読んだことがあります。感謝について書かれているところがありました。とても印象に残っているのが,インドに旅をした時のお話です。「朝,おびただしい人がガンジス川で体を清めています。太陽が出てくるとみんなが太陽の方を向いて感謝し,合掌しています。その姿を見て言いようのない感動を覚えました。このインドの国は,今は混沌とし混乱しています。しかし,近い将来必ず世界をリードする国になるだろう。太陽に感謝できるおびただしい人たちを見て確信しました」というような内容だったと記憶しています。あれから30年以上経ちました。
 今のインドの状況はどうでしょうか。NASAの科学者の36%,アメリカの医師の約40%はインド人(インド系)。世界最高ランクのハーバード大学生のこの10年間の増加率は中国の164%を抑えて190%と世界一位,教授陣もノーベル賞を受賞しているインド人を始め・・と続きます(田村耕太郎氏2011、1、26の論文より)。インドの人たちは世界中で活躍しています。
 インドの国は今や底知れない経済発展をしていくだろうと見られています。安倍首相も平成27年1月25日〜27日にインドを訪問されました。シン首相との会談の中で,両国の経済関係が大きく発展しているのを評価しますと述べ,今後の重要なパートナーとして関係強化を願っておられます。
 山田無文ご老師様は,インドの人たちの真摯に合掌しているたくさんの人たちを見られて,素直に感謝できる人は心豊かな人,心豊かな人は,想像力も豊かで主体性のある人たち。そのような人たちがたくさんいるインドの国。必ず世界をリードしていく国になると確信されたのでしょう。その慧眼には驚くばかりです。

2 感謝についてのエピソード2つ目は,あるおばあさんの話です。ご縁のあるお寺のご老師さんが「本当の話ですよ」と語ってくれたお話です。
 「また秋になったと,ため息しか出ませんわ」とお婆さんが言われます。「どうしたのですか?」と尋ねると,次のようなことを話されたそうです。「私の足は,毎年毎年ひどいしもやけになります。痒くて痛くて本当に悪い足で困ります。どうして私の足だけが,こんなにもしもやけがひどいのか,困った足です。毎年お医者さんに行くのですが,どうしても治りません。毎年毎年ひどいしもやけで苦労しています。冬が近づく秋になると,またしもやけが出るなあと憂鬱になり,ため息になったのです」「そうですか。それは大変ですね」ということで別れたそうです。
 その後何年かして,またそのお婆さんに会われたのだそうです。「この頃,足はどうですか」とご老師さんは尋ねられました。すると,お婆さんはニコニコしながら答えられました。「本当にこの足はいい足です。毎日感謝しているのです。しもやけはあれから全く出ません。お医者さんも不思議がっておられます。とても良い足です」と語り,次のような話をしてくれたそうです。
 「冬が近づいたある日,今年もしもやけで苦労するなあ。困った悪い足だなあと自分の足を眺めていました。その時,気づいたのです。そうだ,一日中この体を支えてくれているこの足に,今まで感謝したことはあったのだろうか。生まれて,1歳に歩けるようになってから,毎日歩けるのは当たり前だと思ってお婆さんになった今日まで来ました。でも,自分の人生の中で,この足をいたわったことがあったのだろうか。耳には,よい音楽や嬉しいお話をたくさん聞かせてきた。目には,きれいな景色や映画を見せてきた。口には美味しいごちそうを食べさせてきた。でも,この重い体を支え,文句一つ言わないでどこへでも運んでくれているこの足に,本当に感謝してきただろうか。感謝してこなかった,ということに気付いたのです。
 それからは,一日の終わりに,今日も支え体を運んでくれてご苦労様,ありがとうと感謝して足をいたわっています。マッサージしたり,風呂の後にはクリームを塗ったり,指の間もよく揉んだりして,ありがとうありがとうと大事にしているのです。すると不思議なことに,その冬から全くしもやけが出なくなったのです。お医者様も,あのひどいしもやけがどうして治ったのだろうと首をかしげているのです」
 「それは良いことに気付かれたのですね。よかったですね。とても良いお話を聞かせていただき,ありがとうございました」とご老師さんは温かい気持ちで別れたのだということでした。

 翔鸞幼稚園では,感動できる心・感謝できる心を,本物体験を最重点の柱に据えて育てています。
・自然の土や水や草や木に触れて遊び,虫や動物に触れたり飼育し,野菜・果物を種から育て収穫して味わいます。その活動の中で夢中に遊び,夢中の中で出てくる本当の自分の本音で,それらの自然と向き合うのです。素直に感じる本音の自分を,大事に誇りに思うようになるのです。
・本物同士の人との関わりの中で自分を磨いていく保育。遊べる環境を設定して保育を行います。夢中になって子どもは遊び込み,本音を出します。その本物本音で相手と向き合います。相手も本物本音です。本物本音同士の関わりの中で,ぶつかり合い喜び合い心を通わせていきます。自分を見つめる力,自分を調整する力,相手の気持ちを感じ関わる力を身につけていきます。感動できる人は感謝できる人です。感謝できる人は感動できる人です。自尊感情や自己有用感を高めていく人です。

 自画自賛になりますが,翔鸞幼稚園の子ども達の感動する姿が見られたエピソードを一つご紹介します。
 年長組が京都水族館に行った時のことです。「おはようございます」とみんなで受付のお姉さんに挨拶をしました。
 中へ入った途端,「ワー」大きな歓声が子どもたちみんなから出ました。私たち引率の先生は,「何,何」「何の歓声?」「先生,見て見て。ここに大きな魚がいる!」「先生,足がある!」「先生,足が大きい」「動いている?」「オオサンショウウオだって」入ってすぐ右手にある加茂川の生き物(魚)水槽のところで足が釘付けです。一人一人が,自分の見つけたことを,感動した大きな声で先生に報告するのです。その声の大きいこと。「わかったよ。もっと静かに」と子ども達の声を抑えることに,先生方は気を遣い始めました。
 子どもたちが次へ行かないので,「次へ行きます」と先生が言いました。入り口から真直ぐ突き当たり正面の,大きな天井まである水槽が次の水槽でした。「ワー」また子どもたちの大歓声です。「先生見て」「先生こちらへ来て」「先生,天井の方,キラキラしている魚・・」一人一人が興奮しています。叫んでいます。「貸切ではありませんよ」先生も叫びそうになりました。どこへ行ってもこんな調子です。声が嗄れてきた子どもも一人や二人ではありません。
 翔鸞幼稚園の年長組さんが興奮して動き回り,感動して叫んでいる横を,よその幼稚園の子どもたちやよその保育園の子どもたちが,通っていきました。興奮している翔鸞の子ども達を横目で見て,次に水槽を見て2列の列を崩さないまま静かに追い抜いていきました。
 あんな風に静かにしてほしい,と引率の先生方はみんな,その時はそう思いました。しかし,帰ってからよく考えてみると,これでいいのだと先生方は思うようになりました。子ども達はみんなが,心豊かに育っている証拠を見せてくれたのだと思えたからです。
 
 ここまで長い文章を読んでいただきました。誠にありがとうございました。ここまで読んでいただけた方は,読まない前よりも,何かしら自分自身が進化しています。ここまでの文章に何かを感じ,自分の感想や意見を持ったからです。そうでないと,最後までは読んでいないからです。それは学んでいることになるのです。ぜひ,また一緒に語り合いましょう。ありがとうございました。
 いつでも見学にお越しください。お待ちしています。翔鸞(しょうらん)幼稚園461−3642へ

(改訂版)「加点法主義」をもう一度見直したいです

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 「加点法主義」と「減点法主義」 どんな主義なのですか? どんな物の見方をするのですか? 子どもの成長にとってだけではなく自分自身の成長にとっても是非とも見直してみたいことです。
 2010年6月13日 日本の小惑星探査機「はやぶさ」が7年かけて地球に戻ってきました。日本中に世界中に勇気と感動と元気をあたえてくれました。世界で最初に長さ約600mで幅約300mの小惑星「イトカワ」から砂を持ちかえった探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーだったのが川口淳一郎先生です。先生は「あれできない,これできない」ではなくて,「ああすればできる,こうすればできる」という加点法の発想を大切にしてプロジェクトチームをまとめ成功に導きました。
 先生によると,減点法と加点法の一番の違いは,失敗をカウントするか成功をカウントするかということだそうです。失敗がカウントされるなら失敗を減らすように,成功をカウントするなら成功を増やそうと努めるようになります。また,100点が上限の評価法ではそれ以上の努力は無駄と考えるようになるのだそうです。減点法では「ローリスク・ローリターン」の手堅いプロジェクトしか出てこない傾向があるのに対して,加点法では「ハイリスク・ハイリターン」ですが世界初の新しい技術をいくつも組み合せているプロジェクトが出てきて,それが「はやぶさ」に乗せられていたのだそうです。チームは「こうすればできる」という発想の人ばかりでした。ということを雑誌の対談で語っておられます。加点法の考え方での実践が,世界一の探査機を開発し見事に世界一の成功にまで導いたものでした。
「はやぶさ1」の成功を受けて,2014年12月3日「はやぶさ2」が種子島宇宙センターから打ち上げられました。打ち上げは成功し,2018年6月頃に1999JU3という小惑星直径約920mに到着して土を採収する仕事をするのだそうです。金星と地球の間と地球と火星の間とを楕円軌道している小惑星です。地球帰還は2020年秋だそうです。地球の重力を利用して飛行するので遠回りとなり地球とは約3億kmの距離離れていることになるということです。全飛行距離をネットで調べてみると何と約52億kmとありました。地球から月までは約38万km,地球から太陽までは約1億5000万kmです。地球から火星まででも平均して7800万kmですから,いかに遠い距離を飛行するかということです。光のスピードは1秒間に約30万km地球7周半と言われます。3億kmとか52億kmとかいうと光のスピードでも16分とか4時間30分とかいう距離です。
この「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャーが圀中均先生です。圀中先生は「はやぶさ1」ではやぶさを最後まで動かしていたイオンエンジンの開発リーダーをされていた先生です。この先生の下でのプロジェクトですから,今回も川口先生の言われている加点法主義を引き継がれてきっと成功してくれるだろうと願っています。
 前段のエピソードが長くなりましたが,加点法主義の2つ目のエピソードです。私たちの毎日の言葉に注目してみましょう。
 ごく日常の生活の私事で,こんなことがありました。小学校高学年の時に近所のおばあさんに誉められたことを数十年も経っている今でも思い出し,私の人生で大きな支えとなってくれてきたということを思い返すことがよくあります。
 薄暗くなってきていたある日の夕方,荷物を背負って父と山仕事から帰って来た時に近所のおばあさんの家の前を通りかかりました。外で片付け物をしていたおばあさんが,「こんなに暗くなるまでよく働くねえ,がんばるね,本当にえらいなあ」と褒めてくれたのです。当時は子どもも働き手の一人で誰でも家の仕事をしていましたが,「そう言われてみればこの頃は暗くなるまでよく働いているなあ」と子ども心に納得し,そこのところを見て褒めてくれたおばあさんの一言をとてもうれしく思いました。その褒め言葉は,自分は頑張れるのだ,がんばっているのだという自分の自信に繋がっていったのです。
 この2つのエピソードは,私たちにとって教育や子育てのヒントを教えてくれます。どちらにも共通するのは加点法でのあり方や声の掛け方だということです。完璧の100点満点から,一つ失敗したから1点減点して99点,二つだから2点減点で98点・・という減点法ではなくて,「できないのではなくて,どうしたらできるだろう」「よくがんばっているね」は,否定ではなくて肯定するというまさに加点法です。
 子どもの教育についても同じことが言えるのではないでしょうか。真っ白で生まれてきて,つまりゼロからの出発の赤ちゃんの頃です。「ハイハイできるようになった,すごい」「1歩あるけたね,今日は赤飯を炊こうね」「トマトもモグモグ食べたね,えらかった」などは全部加点法です。このままの加点法主義で育てられて進んでいくと,子どもは自信をつけていき自分は頑張れるのだ大事な人なのだという自己肯定感を高め発想力も意欲も豊かに大きくなっていくと思われます。しかし,日本の子育てや教育ではどこの時点からか多くのことが,完璧なことから少しでも外れてマイナスがあると「何でできないの」「さっきから言っているでしょ,どうしてしないの」などと,減点法になっていくのです。減点法は「ここはアカンかった」という否定ですから,いつもそのパターンで対応されていると,言われる子どもはだんだんと嫌になります。ふて腐れてきます。減点法は,自分が否定されているということですから,自己肯定感も低くなり「どうせ僕なんか・・」「どうせ私なんか・・」と意欲も発想力も何もなくなって消極的になっていくのではないでしょうか。
 私たち大人もまだまだ未熟です。だからこそ,その子の良いところをたくさん見つけて言っていきたい,その子の1カ月前より・1週間前より伸びたところや良く変容してきたところを見つけて「ここがすごいな,がんばっているな」と加点法でどんどんと語っていきたいと思います。
 子どもの良さを見つけて言葉に出して言うことができるということは,その良さや変容に少しでも気付き感動できているということです。良さや変容に気付き感動できるということは,すごいなあ,がんばっているなあと少しでも思っているということです。すごいと思えるということは,自分もそうなりたいというあこがれであり,同時に自分もそうしよう,マネしよう,そうなりたいという学びでもあります。肯定的に気付いたり感動したりそれを口に出して言っているということは,言っている人,大人ならその大人自身がその時点で学び着実に成長しているということです。素直で柔軟な心の持ち主と言えます。ですから仮に年齢を重ねていっても進化し続ける人ということができます。
 加点法主義は子どものあらゆる可能性を成長させるだけではなくて,言っている人や言っている大人自身をも成長させているということです。私自身もこのことをもう一度よく考えて味わい,自分を振り返って子どもと共に成長できる大人になっていきたいと思います。
 みなさん,ぜひ加点法主義の良さを見直して,毎日の子育てや自分自身の進化の応援団としていこうではありませんか。
 ここまで大変長い文章を読んでいただきいっしょに考えていただきました。自分を振り返ったり「加点法」を考えたりしたのではないでしょうか。きっとそうだと思います。実は,その時点で,もう以前の自分ではなくなっています。1歩も2歩も自分自身が進化しています。このことは間違いありません。約40年間失敗を重ねながら教育に携わってきた者の言葉です。信じて大丈夫です。文章を読み始めた時点で,すでに学びモードに入っています。「なるほど」「そうかもしれないな」「ここはもっとこう考えられるよ」などと思った時点でもう大変な学びをしているのです。そして,自分の知識や経験と重ねて自分独自の加点法主義を実践に持っていこうとしているのです。そう考えたら1歩も2歩も進化していると言えるのではないですか? 子どもと共に私たち大人も進化成長して参りましょう。年齢に関係ありません。人は進化し続けます。大丈夫です。お互いが笑顔で支え合う社会を作り,一人一人みんなが自分を発揮できるようにしていきましょう。
 ご多用な中でここまで共に学び合っていただきました。本当に感謝いたします。誠にどうもありがとうございました。

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