幼稚園日記

どうして,挨拶,挨拶ってやかましく言うの?

公開日
2013/04/12
更新日
2013/04/12

園長室から

 なぜ? 挨拶・挨拶って言われるのでしょうか?
 
 幼稚園でも小学校や中学校でも高校でも「おはようございます」「ありがとう」と挨拶や感謝の言葉が言えるようにしましょう。といいます。なぜ,挨拶挨拶,ありがとうが言えるように,というのでしょうか? 誰のために言うのでしょうか? 挨拶しても返ってこないことも多いし自分から言うことはあほらしい時もありますよね。
 挨拶や感謝の言葉は,「私はあなたの敵ではありません。味方ですよ」という心を言葉に乗せて相手に伝えているものと言えるのではないでしょうか。丁寧な人は挨拶のとき頭を下げてお辞儀もします。相手に頭を垂れ地面や自分のおへそを見ます。昔で言えば相手が敵なら「面〜(メーン)」と刀で頭を砕かれることでしょう。でも,頭を下げて「おはようございます」「こんにちは」「私はあなたの敵ではありませんよ。友達になりたいですよ」という態度の人に「メーン」とは普通いかないでしょう。挨拶をしてくれる人は悪い気はしない相手ですし,お辞儀までしていたら隙だらけの無防備状態の人だからです。そんなところに「メーン」などと卑怯なことはしないということが昔から日本人の人の道だったからです。
 では,外国の人はどうですか?「おはよう」「こんにちは」とのんびりと頭を下げてお辞儀をしているうちに,荷物や財布を盗られてしまうという国もあるのじゃないですか?
確かにあるかもしれませんね。盗られないように警戒の目で見るよりも,欧米の映画シーンに見られるように「はーい」とか少し微笑むとか,これも挨拶だとしたら,こんなことが自然にできた方が感じがいいですよね。そのほうが友達にもなれると思います。
 では,挨拶は相手との紛争を避けるもので折り合いをつけるところに,その意味があるのでしょうか?
 毎朝通用門でお母さんやおうちの人と一緒に登園した子ども達を迎えます。「おはようございます」と大きな声で挨拶をします。子ども達もおはようございますと挨拶を返してくれます。在園児やお父さんお母さん方にも「おはようございます」と言うので50回以上は自分から言っていると思います。すると心の中に不思議な感じが沸き起こってきます。「今日は朝からいまいち調子が悪いなあ。疲れたのかなあ,・・」という日でも,自分の挨拶の回数が増えていく度に心が元気になっていくのです。
みんなを迎えた頃にはすっかり元気一杯百杯になっています。
なぜなのでしょう?
 みんなに元気を与えたつもりで実はみんなからパワーをもらっていたのだということです。
 ある和尚さんがおっしゃいました。「挨拶をしたり他人に優しくしたり,ありがとうと感謝の言葉を言ったり掃除や片づけ整頓をしたりした後は,何か心がスッキリとしませんか? するでしょ。なぜだと思いますか? 私たちの体には毎日埃や垢がたまりますね。だからお風呂に入りシャワーをかかるとスッキリしますね。実はね,心にも毎日毎日垢がたまっていくのです。硬い殻になるまで垢がたまったら容易には取れませんよ。頑固一徹になって他人の話も聞けなくなります。素直に他人の話が聞けないのでいつまでも成長できなくて益々意固地で頑固になっていくのです。さあその心の垢をあなたはどのようにしてとりますか?」「えっ?そうなったら大変なことです。どうしたら心の垢がとれるのですか?」「挨拶をしたり他人に優しくしたりありがとうを言ったり,掃除や片づけや整頓をしたりした後は,何か心がスッキリとするでしょう。心がスッキリしたというときは、心にシャワーがかかって少し垢が取れているからなのですよ」ということでした。
 この3月19日に14名の子ども達が卒園していきました。修了式で担任の先生が一人一人の名前を呼びました。一人一人の修了児が遊戯室一杯に思いっきり響く大きな声で「はい」と返事をしました。そして修了証書を厳かに堂々と受け取りました。来賓で来られていた地域の方が会われる度に,「幼稚園の修了式は良かった。あの建物に響く見事な返事で式がビシッと引き締まった。これが教育ということを見せてもらった」と褒めてくれます。
 自分からの元気な挨拶や優しい行いや掃除も片付けも大きな声での返事も,実は言ったり行った本人が一番気持ちがいいのです。自分の心にシャワーをかけているのです。さらに一つ一つの自信もついていきます。そのオーラーが付録みたいに周りにも気持ちの良いシャワーをかけているのです。
 このように考えていくと挨拶も返事もいろいろな行いも,全部が全部自分のためになっていたのです。結果的に自分のためにやっていたのです。「挨拶したり掃除したり大きな声で返事したりなんてあほらしい」どころか,自分が一番の「宝物をつかんでいた」ということになるのです。
 友達づくりも人との関係の中で自分に自信をつけるのも元気で明るい挨拶からです。お互いにみんなでがんばりましょうね。