幼稚園日記

「片付ける力」も練習で少しづつ身についていきます

公開日
2012/12/10
更新日
2012/12/10

園長室から

 あるお母さんが不満をぶっつけてきました。「家の子ばかりが最後まで後片付をしています。他の子の後片付まで,家の子がやっています。不公平じゃないですか」「その通りです。不公平です」「なぜ他の子にも最後までさせないのですか?」「そうしようとしているのですが・・直ぐにはできないのです。すみません」
「家の子は真面目だから先生の言われたことを最後までやるんです。みんなが中途半端で終われるところを,家の子は終われないのです。家の子は損してばかりです。本人も,いつも僕が大体最後まで片付けている,でも先生はサボっている子をそんなに叱らないと言っています」ということでした。
「お母さん,すみませんね。ご心配をかけて。指導が至らなくて申し訳ありません」「どうなんですか?園長先生!」怒りが憤りがなかなか治まりません。
「お母さん。片付ける力があるのかないのかなんです。この力がお家の子は身についてきているのです。片付ける様子を見ていてください。片付ける物の大きさや順番や整理する場所など実にスムーズです。普通はああはいきません。見事じゃないですか。今日また最後まで後片付をしてくれましたよ。ますます整理整頓する力がついています。頭の中が脳の中がよく整理されてきているのですね。だから片付けることができるのですよ。お母さんは損をしたと思うかもしれませんが,私から言わせたら反対に一番得をしていると思いますよ。ようがんばっているなあ。片付ける力がずば抜けているなあ。すごいなあと褒めてください」ということを話しました。お母さんは「ええ・・? 何なのですか。片付ける力って? ええ?」と不満なような不思議なような様子でした。
「この片付けるという力は自分の血や肉になって,どんな場面でも自分を支える応援団となって自分を助けてくれます。片付ける力があるなんて,何と有り難いうれしいことではありませんか。どうか,毎日最後までよく片付けているね。片付ける力がついてきているよ。この力は,自分を助けてくれる大変な力なんですよ。と園長が褒めていたと語ってください」とお願いしました。「そうですか」お母さんは少し納得したようでした。
 この子が,仮にスーパーへアルバイトに行ったとしましょう。「この辺のダンボールを片付けて」と店長さんに言われたとしたらどうでしょう。ダンボールを潰して一箇所に片付けたり,同じ製品の箱を一緒にしたり,この子だったら直ぐに段取りを飲み込んでやってのけるでしょう。言われなくてもその辺りを掃き清めるでしょう。店長さんからは「できる子だなあ。助かるなあ」ということになります。
 よいことならどんなことでも身につけたらよいと思います。全部が自分自身の力となって自分の人生を助ける応援団となっていきます。
 幼稚園では,たくさんの活動をしています。準備や片付けも活動です。同じ比重で大切にしています。お家でも少しでもできたことは,「このことが,これだけできたね。えらいね。がんばれるようになったね」と語って欲しいと思います。お母さんやお父さんのこの言葉は子どもにとって最大の褒め言葉ですし認める言葉です。この褒め認める言葉は,子どもの心の中に灯火となって燃え続けます。その炎は心の核となってその子の一生を支えていきます。
 お家でも幼稚園でもそうして褒められ認められ「ようし、もう少し」と子どもはだんだんできるようになります。共に協力して子どもに力をつけていこうではありませんか。