魔法の言葉 「ありがとう」 その1
- 公開日
- 2011/12/22
- 更新日
- 2011/12/22
園長室から
魔法の言葉「ありがとう」〜その1〜
「ありがとう」は魔法の言葉と言われます。
何かをしてもらった時やめったにないことをしてくれた時,「ありがとう」と言うのが日本での習慣です。「ありがとう」と言われたら「役に立てて良かった」と何だか気分が良くなります。そして,お互いの心が温かくなっていきますので,魔法の言葉と言われるのだと思います。
では,世界の国で「ありがとう」はどうなっているのでしょうか。
1 アメリカやヨーロッパ,アジアの映画やドラマを見ていると「サンキュ」「メルシー」「ダンケシェーン」「シェーシェー」などとよく言っていますよね。これは日本のありがとうを意味しますので,日本と同じように使っている国が多いのではないでしょうか。
2 「ありがとう」を何かをした人のほうが言う国があります,と以前小学校の国語の教科書に出ていたことを思い出しました。例えば,何か物をもらう時,物をもらった人は当然だという態度で何もお礼の言葉を言わないのです。反対に物をあげた人のほうが「ありがとう」と言うのだそうです。私たちからしたら「ええー,そんな」となります。でも,その国では持っている人が持っていない人にあげるのは当然のことで,あげなかったら逆に「なぜあげないの!」と避難されるのです。あげた人は「もらってくれてありがとう」という意味で,あげた方が「ありがとう」というのです。
3 「ありがとう」を言わない国もあるのだそうです。ネットを調べていたら,あるアジアの国に行った日本人が,現地の人にいろいろと世話を焼いてもらう度に「ありがとう」と言ったそうです。すると,何かと世話をしてくれているその国の人が,「気分が悪いからありがとうを言わないで」と怒ったそうです。「私はあなたのために世話を焼いています。それをあなたが「ありがとう」と言うと,世話を焼いたことがありがとうで帳消しになってしまう気がする。ありがとうの一言でおこなったことが帳消しになったら気分が悪いんだ」というような意味だったと思います。だから,この国では何かをしてもらった時は「ありがとう」を言わないで,してもらいっぱなしにしておくのが普通なのかなと思います。
日本では,自分のために何かをしてもらったら「ありがとう」と言います。でも,東京と大阪では使い方がどうも違うようです。例えば,コンビニで買い物をしたら,東京では店の人が「ありがとうございました」と言うのに対して,大阪では買い物をしたお客さんもお店の人も「ありがとうございました」と普通に言います。京都でも大阪と同じように思います。バスに乗って目的地で降りる時に,乗客も運転手さんも「ありがとうございました」と言っています。
私は,バスの乗客になって降りる時に「ありがとうございました」と言う方ですので大阪文化に属すると思いますが,こちらの方がどうも良いように思います。「お礼としてお金を払っているのだから,さらに「ありがとう」の言葉のお礼は言わないでしょう」と東京の人なら言いそうです。お金を払ったのだから五分五分で,言わなくて当然と言ったらその通りです。
でも,よく考えてみると,代金とは別にして「忙しい中なのに,ご苦労をかけました」「大変だけれどどうぞがんばってください」「丁寧に対応していただいて,めったにないことで有り難かったです」「安全に運転していただき目的地まで来れました。お陰様です」など相手の気持ちや自分の気持ちを全部全部汲み取っての「ありがとう」と言っているのではないでしょうか。そこではより相手との距離の近さを感じます。両者とも息づかいを感じてお互いの気持ちを大切にしています。もし神様が空の上からこの様子を見ていたとしたら,どちらに軍配をあげるでしょうか。
この「ありがとう」からお互いに気持ちが繋がり,初めての人とでも話が弾んだり楽しい出会いが始まると思います。