幼稚園日記

家の子ばかりが最後まで後片付け,損しています。どうなんですか!

公開日
2011/06/10
更新日
2011/06/10

園長室から

 何年か前のことです。あるお母さんが担任の先生に不満をぶっつけました。「家の子ばかりが最後まで後片付をしています。他の子の後片付まで,家の子がやっています。不公平じゃないですか」「その通りです。不公平です」「なぜ他の子にも最後までさせないのですか?」「そうしようとしているのですが・・直ぐにはできないのです。すみません」
「家の子は真面目だから先生の言われたことを最後までやるんです。みんなが中途半端で終われるところを,家の子は終われないのです。家の子は損してばかりです。本人もそう言っています」ということでした。
「お母さん,すみませんね。ご心配をかけて。指導が至らなくて申し訳ありません」「どうなんですか?先生!」憤りがなかなか治まりません。
「お母さん。片付ける力なんです。この力がお家の子は身についてきているのです。片付ける様子を見ていてください。片付ける物の大きさや順番や整理する場所など実にスムーズです。普通はああはいきません。見事じゃないですか。今日また最後まで後片付をしてくれました。ますます整理整頓する力がついています。頭の中が脳の中が益々整理されてきていますね。だから片付けることができるのですよ。お母さんは損をしたと思うかもしれませんが,私から言わせたら反対に一番得をしていると思いますよ。ようがんばっているなあ。片付ける力がすごいなあと褒めてください」ということを話しました。お母さんは「そうなのですか。片付ける力なのですか」と少し納得してくれた様子でした。
 すでに「挨拶」のところでお話したように,この片付けるという力は自分の血や肉になってどんな場面でも自分を支え大応援団となって自分を助けてくれます。
 仮にスーパーへアルバイトに行ったとしましょう。ダンボールを潰して一箇所に片付けたり,同じ製品の箱を一緒にしたり,この子だったら直ぐに段取りを飲み込んでやってのけるでしょう。言われなくてもそのあたりを掃き清めるでしょう。支店長からは「できる子だなあ。たすかるなあ」ということになります。
 よいことならどんなことでも身につけたらよいではないですか。全部が自分自身の力となって自分の人生を助ける大応援団となっていくのですから。