「人とつながる音楽家」―後輩たちへ届けたメッセージ (卒業生・杉本優さんに聞く その2)
- 公開日
- 2026/07/23
- 更新日
- 2026/07/22
学校の様子
第53回オーケストラ定期演奏会に客演指揮者として出演してくださった本校卒業生・杉本優さん。演奏会に先立ってお話を伺った際、「人とつながる音楽家」という本校の教育目標について、次のように語ってくださいました。
「初めてこの教育目標を聞いた時、本当に大事なことだと思いました。」
プロの音楽家は、一人で練習する時間が多く、華やかな舞台の裏では孤独と向き合うことも少なくありません。しかし、思うように演奏できない時や困難に直面した時、自分を支えてくれたのは、音楽を通して出会った人たちとのつながりだったといいます。
「音楽家は一人では生きていけません。人とのつながりがあったからこそ、ここまで続けてくることができました。」
その言葉は、世界で活躍する指揮者として歩んできた杉本さんだからこそ語ることのできる、重みのある実感でした。
そして迎えた演奏会当日。アンコールに先立ち、杉本さんは会場の皆様と生徒たちに向けて、あらためてその話をされ、「人とつながること」の大切さを語られました。
「今の堀音には、その『つながり』がとても強く感じられます。」
そう話した杉本さんは、自分がこれまで築いてきたつながりを後輩たちへ届けたいという思いから、ドイツ・ブレーメン歌劇場専属歌手のお二人との共演を実現されました。それは、生徒たちに世界で活躍する音楽家とともに演奏する機会を届けたいという、卒業生から後輩への贈り物でもありました。
さらに、本番までオーケストラを指導してきた同期の明石先生とともに舞台を創り上げることができたことにも触れ、「一生忘れることのない演奏会になりました」と話されました。
高校時代に築いた仲間とのつながりが二十年近く経った今も続き、そのつながりが新たな出会いを生み、さらに後輩たちへと受け継がれていく――。杉本さんの姿は、本校が目指す「人とつながる音楽家」をそのまま体現しているようでした。
卒業生が母校を誇りに思い、自らの経験や人とのつながりを惜しみなく後輩へ届けようとする姿。そして、その思いを受け取った生徒たちが、また次の世代へとつないでいく姿勢こそが、京都堀川音楽高校の大きな魅力なのだと、あらためて感じることのできた演奏会となりました。