学校日記

「一つの音に責任を持つ」―後輩たちへ伝えたプロとしての覚悟 (卒業生・杉本優さんに聞く その3)

公開日
2026/07/24
更新日
2026/07/22

学校の様子

 第53回オーケストラ定期演奏会に先立って行ったインタビューの中で、本校卒業生であり、客演指揮者を務めてくださった杉本優さんは、音楽に向き合う姿勢について語ってくださいました。


 「本番では、できるだけリラックスして臨んでほしい。でも、こういう言い方をすると時代錯誤と言われるかもしれませんが、練習では自分に厳しくあってほしい。」

 プロを目指すのであれば、自分自身には妥協を許さない姿勢が必要だという思いを、生徒たちへ伝えてくださいました。


 その覚悟について、杉本さんは「僕は指揮をするとき、絶対に振り間違えることはありません」と言い切ります。そこには、日頃から自分自身に一切の妥協を許さない姿勢が表れていました。


 さらに杉本さんは、次のようにも話されました。

 「音楽は娯楽の一つです。ミスをしても誰かの命を奪うわけではありません。でも、新幹線の運転士やパイロットが小さなミスも許されない責任を背負っていることと、同じテーブルで一度考えてみることは大切だと思います。『この一音で誰かが死ぬかもしれない』というくらいの窮地に立った考え方を、一度してみることは必要ではないでしょうか。」


 音楽と命を同じものとして考えるということではありません。一つひとつの音にどこまで責任を持てるのか。その問いを自分自身に投げかけ続けることが、プロフェッショナルとしての覚悟につながるというメッセージでした。


 演奏会で生徒たちが目にしたのは、卓越した指揮技術だけではありません。一つひとつの音に真摯に向き合い、一切の妥協を許さない姿勢そのものでした。


 この演奏会を通して、生徒たちは音楽を創り上げる喜びとともに、プロフェッショナルとして音楽に向き合う覚悟にも触れることができました。