学校日記

FOUNTAIN(校長室だより)No.5

公開日
2010/08/16
更新日
2010/08/16

校長室から

 京都市立桂坂小学校  山本 泉

 夏休みに入りました。連日,猛暑日が続き熱中症で亡くなる方も出ています。私自身もですが,保護者の皆様も健康にはくれぐれもご留意ください。
さて,今回は少しブレークタイムをいただき,京都市教育委員会生涯学習部から発行されていた読み物から引用したものを掲載したいと思います。
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『先日,大変暑い日でしたが,人と待ち合わせをしていて公園のベンチに座っていると,ふと目の前の親子に目がとまりました。4,5歳くらいの男の子とお母さんが何だかとても楽しそうなのです。何気なく二人の会話に耳を傾けていると,どうやら,アリの行列を見つけた男の子がそのことをお母さんに報告しているようです。
「お母ちゃん!ほら見て,見て!アリがいっぱい並んでいくで…,どこ行くのかなぁ?」
と不思議そうに言ったので,一緒になってアリの行列の行く先を追っかけていったようです。向こうの方で
「あれあれぇ,こんなところに入っていくで…。」
「きっと,アリのおうちがあるのやね。」
「中はどんなになっているんかなぁ?」
とお母さんとの会話がはずんでいました。とても,ほほえましい光景でした。
 そして,以前に出会った親子のことを思い出しました。ある日,歩道を歩いていると私の前を,同じく4,5歳くらいの女の子と,お母さんらしき女の人が歩いていました。そこへ,灌木の茂みから出てきた1匹の子ネコが,その親子に寄っていきました。
「ママ,このネコどこのネコかなぁ。お家はないのかなぁ。かわいそうやなぁ。」
と立ち止まろうとする女の子の手をひっぱり,
「そんなことどうでもええの!行くで!」
と見向きもしないお母さん。その女の子は何度も子ネコをふり返りながら,お母さんに手を引かれて行ってしまいました。
 用事があって,急いでおられたのかも知れません。あるいは,お母さんはネコが好きではなかったのかも知れません。私も,そのときはあまり気に止めませんでした。でも,今回出会った親子を見て,改めて思いました。
 アリの行列のことや子ネコのことなんて,大人にはどうでもいいことかも知れません。そんなひまはないと言えばそれまでです。しかし,子どもの成長には,その時期にこそ必要なことがあるはずです。育つべきときに,育つべきものを,時期を失せず育んでいくことの大切さを考えると。一見どうでもいいように見えることについて,親子でたわいもない会話を弾ませたり,目を輝かせて夢中になって親子でのひとときを過ごしたりすることも子育ての大切な部分ではないでしょうか。こうした何気ない親子のふれあいこそ,子どもの豊かな心を育むことに繋がるのではないかと改めて思いました。』