FOUNTAIN(校長室だより)No.4
- 公開日
- 2010/06/21
- 更新日
- 2010/06/21
校長室から
京都市立桂坂小学校 山本 泉
「学校は何をするところですか?」
そんなことを聞かれたとして,それに対して一言で答えるなら,「子ども達に学力を身につけさせるところです。」ということになるでしょう。もちろん実際には一言では答えられないほどたくさんの役割を担っています。例えば,『社会性を身につけさせる』というのも大きな役割です。子どもがたくさんの人たち(あえて友達とは書きませんが)と共同で学校生活を送る中で,一人一人の違いに気付き,時には衝突し,時には協力し合い,自己主張したり我慢することもあったりしながら,大きな社会の中での自分の存在価値を学んでいくというのが学校の役割の一つです。しかしやはり一番大きな役割はというと最初に述べた「学力を身につけさせること」に違いありません。
ただ「学力」というものにもいろいろな意味があります。「学問を修める力」という狭い意味から,「生きて自らの将来を切り拓くための総合的な力」などという広い意味にも解釈されますが,小学校の段階で一番つけたい「学力」は,私は『自ら学ぶ力』だと思っています。確かに,知らないことを教えたり,経験させたりしながら「知識」を増やすことも大事なことですが,それ以上に分からないことやできないことを自分で解決する方法を見つけ,答えを探し出すことができるようになる力を身につけてほしいと思っています。
そして,そういった「学力=自ら学ぶ力」を身につける過程を『学習』と呼んでいます。
学校においては授業をはじめあらゆる教育活動の場面が「学習」ですが,それを支えて「学力」が効果的に身に付くためには家庭での学習すなわち「家庭学習」が大切であると言われます。つまり,「学ぶ力」を育てることは学校教育の重要な役割ですが,家庭の関わりがあるかないかでその育ち方が大きく違ってくるということです。家庭と学校とが協力し,同じ歩調で子どもを育てることが大切であることが言えるわけです。
しかしやはり,家庭と学校とでは自ずから役割が違ってきます。学校では学習の基礎・基本となる力をつけ,学び方を教え,主体性を育てます。また,上記でも述べたとおり友達や先生など多くの人と接し,関わり合うことで社会性を学ぶことにもなります。さらに,各家庭に対し子どものよさを生かした家庭学習の提案をするのも学校の役割です。
それでは,一般的に「家庭学習」とは家庭で何をすればよいのでしょうか。それは決して家庭で『勉強を教える』ということではありません。まず,生活のリズムを整え,決まった場所(決してテレビのある部屋ではありません)と時間で学習に集中できる環境をつくってあげることです。そして,認め,励まし,支えてあげる,子どもにとって安心していられる場所をつくるということです。そんな当たり前なことは分かっているとおっしゃるかも知れません。そうであればうれしいです。
少し話は跳びますが,京都市教育委員会から全家庭に向けて発信されたアピール文「家族の宿題」というのをご存じでしょうか。それは,下記のようなものでした。
【家族の宿題】
1.子どもの目を見て会話をしよう。
2.一緒に家事をしよう。
3.一緒に本を読もう。
4.一緒に出かけよう。
5.立ち止まって,一緒に「答え」を探そう。
近年,「すべての教育の原点」とされる家庭教育について,過保護や 過干渉,放任子育て不安の広がりやしつけへの自信喪失など,さまざまな問題点が指摘されています。このアピール文にあるように,「一緒に〜しよう」という基本姿勢で「家族の宿題」を実行された家庭から「よかった」と大きな反響がでているそうです。もし,やっていないことがあれば一度実行してみてはいかがでしょうか。
学校から各家庭に「家庭学習の手引き」という冊子が配付されています。大変参考になることが書かれていると思います。ご家庭の事情や生活状況はさまざまですが,子育てにとってヒントになることがあれば幸いです。