学校日記

FOUNTAIN(校長室だより)No.8

公開日
2010/10/31
更新日
2010/10/31

校長室から

                     京都市立桂坂小学校 山本 泉

 前回は,「しかる教育とほめる教育」についてのお話で「しかる教育」について書きました。
 今回は,「ほめる教育」について考えてみたいと思います。前回,「しかる」ということは「子どもをより良い方向に導く方法・手段」と述べましたが,「ほめる」ということも,やはり同じでなくてはなりません。それでは,どんな風に「ほめる」ことを「ほめる教育」と言うのでしょうか。

【ほめる教育】
[なし遂げた結果以上に努力しようとした意欲をほめる]
 子どもが努力して良い結果が出た場合,親だったら大抵ほめると思います。しかし,良い結果が出なかった場合はどうでしょうか。まさか冷たく「残念」の一言でその努力を切り捨ててしまうことはないでしょうが,優しく慰めるにしても,なかなかうまく声かけがしにくいものではないでしょうか。
でも,そういう風に場合によって変えようとすることではなく,結果如何にかかわらず,やろうとした意欲をほめることが大切だということです。
[子どものいいところを見つけ出すよう心がける]
 ほめて育てるためには,常に子どもの「いいところ」を見つける努力が必要です。いいところが無い?そんなことは絶対ありません。いいところばっかり?それもちょっと危ないですが…。
 例えば子どもが悪いこと(間違ったこと)をした場合,普通は「しかる」言葉を使ってしまいます。しかし「ほめる教育」ではそんな時でも決して「しかる」言葉を使わないといいます。一連の子どもの行為の中で,よかった所を沢山見つけ出してほめてやるのです。そして最後に「良くなかった所はどこだった?」と尋ね,自分の口から悪かったところを言わせるようにすると,子どもが今度からしないようにしようと心に刻むことができるそうです。
[うわべだけでなく,心からほめる]
 親が子どもをほめる時,自分の価値観に照らし合わせて,その規準を満たした場合について高く評価してほめるということが普通だと思いますが,多くの場合その価値観が子どもとの間でズレがあり,子どもがほめてほしいと思っている絶好のタイミングをはずしてしまうことがあるようです。ですから,いつも(忙しい時でも)子どもに対してアンテナを向けておくことや,自分の価値観を超えてほめることも大切なことだといわれます。
しかし,自分の価値観に合わないことをほめるときには注意が必要です。うわべだけでほめると,子どもは必ず察知します。ほめるときには,どんな場合でも本気でほめないと教育効果がマイナスになることもあるということです。
[言葉でほめるだけでは足りないときもある]
 大人でも子どもでもほめられるとうれしいものです。そして,またほめられるよう努力しようという意欲も湧いてきます。しかし,子どもの場合それだけでは足りないこともあります。親が子どものしたことを「すばらしい」と思っていることがすでに子どもに伝わっているときなどは,今さら言葉に出してその思いを台無しにするよりも,抱きしめたり頭をなでたり(子どもの年齢にもよりますが),場合によっては黙って肩をポンと叩いたりするだけの方が感動が大きく伝わることもあるということです。
さて,「ほめる教育」というものはこれだけではありませんが,少しは共感していただけることがあったでしょうか?「親のほめ言葉は子どもの心の栄養」などといいます。何にしても一番大事なことは親が子どものことを本当に誇りに思っていることだと思います。
 人間は,その人が何を持っているかで価値が決まるわけではありません。その人が,その人であるというありのままの状態で認められ,愛されることがその人の価値であるということです。親に愛され,自分の存在に誇りを持つことにより自分自身を愛し大切にする。そして,自分を愛し大切にできるからこそ,人をも愛し大切にすることができるようになるのだと思います。