学校日記

高校生は輝く

公開日
2011/08/30
更新日
2011/08/30

校長室から

 先週書いたピアノの位置について京都堀川音楽高校の先生に尋ねたら,発音部がホールのもっとも音響効果のよい場所(舞台中央が多いそうですが)に位置するように設置するということでした。聞いてみたらあたりまえのことで,何をあれこれ考えたのかと我ながら可笑しくなりました。
 2年生のピアニストは銀賞を受賞しました。そのクラスでは金賞該当者がなかったので,「一応1番だった」とのことです。おめでとう。

 8月27日(土)に探究科説明会を開催しました。会場のアリーナは,堀川で空調のない唯一のスペースです。大変暑くて本当に申し訳ありませんでした。
 いただいたアンケート用紙に「時期を変えてはどうか」というご指摘がありました。ただ,夏休み前までは中学生が部活や修学旅行などで忙しいし,9月には普通科各校が説明会を開くし(堀川は9月17日です),それ以降になると進路選択に間に合いにくいし,ということでいまの時期に行っています。
 2部制にして空調のある会場でやっておられる学校もありますが,施設の関係もあり堀川の場合は現行のようになっています。熱中症対策として,うちわに加えて今年は水を用意しました。その点はアンケートでも好評でしたが,暑いことに変わりはありません。また,空調設備のある別室を用意して本会場の様子を中継しましたが,やはり臨場感が違いますので行かれた方は少数でした。暑い中でお疲れになったことと思います。いまはまだ申し上げる段階ではありませんが,担当者が何らかの改善策を検討しているようです。
 当日は生徒もまた,ネクタイ・リボンをきっちりと着けていたので相当に暑かったと思います。ちなみに,堀川では制服の衣替えの時期を決めていません。暑いか寒いかは,生徒が体調を考慮して自分で判断します。夏場にネクタイ・リボンを着けるかどうかも生徒に任せています。ただし,儀式のある日やあらたまった場面では正装着用を定めています。着ていない場合は席に着けません。説明会は大勢の方をお迎えするあらたまった場ですから,ブレザーまでは求めませんが(かつては求めていました),夏の正装を着ることとしています。
 舞台に上がる生徒は照明の影響もあり,舞台袖にいる生徒は狭い中に多くいるために,廊下で案内する生徒はうちわも使えず,きっと暑いはずなのですが,自分たちがきびきびと動いてさわやかに応対することで,中学生や保護者の方に少しでも心地よく過ごしてもらおうということを,準備段階でも当日朝のミーティングでも確認し合っていました。手前味噌ですが,実に見事な生徒たちです。アンケートには,多くの方が生徒たちへのねぎらいや激励を書いてくださいました。
 
 アンケートに,「普通の子はどんな感じなのでしょうか」とお書きになった方もたくさんいらっしゃいました。説明会に出ている生徒は「普通の子ではない」という印象だったのでしょう。
 昨日の月曜日,5階から順に各階を歩きました。教室にも,休憩時間の廊下にも,どこにも「普通でない子」はいません。三々五々廊下を歩く姿も,どこにでもいる普通の高校生です。「前に出てしっかりとやれる生徒」はもちろんいますが,もともとそういう力のある生徒はわずかです。
 「その場面」で「そのようにしたい」,「そうなりたい」と考えて,多くの生徒が準備を重ね,懸命に努力した結果,何とかやりきれた,というのが事実です。傍らにいると,高校生の内包する力に驚かされます。実際には無理ですが,前日までのリハーサルをご覧になったとしたら,生徒がどれほど成長するかを分かっていただけます。
 バックヤードがあってこそ光のあたるステージが動き出します。
 見えるものはすべて見えないところで準備されています。

 長くなりますが,説明会で1年生がやった群読の冒頭部分です。
…………………
  その1月17日は知らないが,私たちはその年に生まれた。
  そして,あの3月11日を私たちは知っている。
  中学3年生だった。
  4月に高校に入った。

  何気ない毎日。
  朝が来て町が動き出して夕方のあわただしさを経て夜を迎える。
  そんな日常が,かけがえのないものだと知った。
  いまも多くの人が不安の中で暮らしている。
  文字通り必死になって取り組んでいる人たちがいる。

  どんなにつらくても,どんなに苦しくても,
  今日が始まり明日が来る。
  私たちはそれを,信じる,
  今日を,生きる。
  明日に,向かう。
  だから学ぶ。

  強くなりたい。
  やさしくなりたい。
  社会や人のために尽くしたい。
  そして,幸せになりたい。

  玄関の前の植え込みに光る黒い石の板。
  小さな子どもが自分の顔を写して笑ってた。
  やさしい筆の文字が彫られている。
  「絆」という一文字。
  断ちきることのできない,つながり。
  断ちきってはならない,つながり。

  思い返してみようと思う。
  自分がいま生きているということを。
  私たちは今日を生きている。
  明日を生きていく。
  前を向いて。
  いろいろな人とつながって。
  つながりを大切にして。
  希望をもって。
  ひとりの人間として。
…………………
 今度の土日は文化祭です。どなたでもお越しいただけます。
 高校生が輝くのをご覧ください。
                          2011.08.30…… 荒瀬克己