高校生らしさ
- 公開日
- 2011/06/28
- 更新日
- 2011/06/28
校長室から
「式辞から」は前回で終わりにします。今回からは学校内外の様子や,生徒とのやりとりを通じて感じたことなどをご紹介しようと思います。
4月に行われた新入生歓迎会のことです。アトリウムで軽音楽部(フォークソング部が名称変更しました)の3年生のバンドが,ロック調にアレンジした校歌を聴かせてくれました。これがとても「カッコヨカッタ!」のです。
後日,そのボーカリストと話しました。
「いやあ,あの校歌はよかったですねえ」
「ありがとうございます。先生と目が合ったんで,めちゃめちゃ緊張しました」
「そうでしたか,ごめんなさい。あれね,卒業式の後で,みんなでやったらどうですか」
「卒業式で歌うんですか?」
「いや,後です,後。式ではやはり正調でしょうから。終わって退場して,教室に戻る前とかにアトリウムで。以前はそういうのを先輩たちがやっていましたよ」
「そうですか」
「ところで君たち,3番まで歌ってたでしょ。校歌は3部構成になっていて,1番が全日制,2番が音楽科,3番が定時制をイメージしているんですよ。知ってた?」
「あ,なるほど」
「音楽科は独立したし,定時制は閉じられたし,100周年の時に新たに4番をつくったらどうかと言う先生もいはったんやけど,そのままになってしまいました」
「へえー,そうだったんですか」
「どうですか,君たちで歌詞をつくってみませんか。よければ文化祭で披露してよ」
「考えてみます!」
笑顔がまことにさわやかでした。
かつて私服時代の堀川には,「高校生らしい服装を」というポスターが貼ってありました。不思議に思って先輩の先生に「高校生らしい服装ってどんな格好ですか」と尋ねたら,「100メートル全力疾走できる服装やね」と即答されたのを覚えています。それを聞いて,風を切って100メートルを全力疾走する高校生の姿を思いました。
先々週,16日木曜日に球技大会がありました。1・2年生は西京極体育館,3年生は本館アリーナが会場です。
早朝から集まってバレーボールの練習をしていた生徒たち。連日,グラウンドには屈託ない歓声と笑顔がはじけていました。
そして本番。3年生の開会式に立ち会いました。運営はすべて生徒が担当しています。
相当に長い開会挨拶(実にユニークでした!)があり,選手宣誓。
「私たちはア,このオ,あこがれのオ,堀川高校アリーナでエ……」
その後の準備運動。各クラスの体育委員が前に出て号令をかけます。相当にばらばらですが,お構いなしにラジオ体操第一の演奏に合わせて,それぞれがてんでに体を動かしていました。
アリーナに満ちるさわやかな熱気。あのボーカリストもその中にいました。走り回り,跳び,ボールを追う生徒とともに,車椅子の生徒もいます。堀川高校3年生249人。 一人ひとりにとっての,高校最後の球技大会でした。
高校生らしさ……ひとりの高校生が成長する過程では,輝きや熱を発することもあれば,迷いや揺れにさらされ深く沈むこともあります。しかし,たとえどうであったとしても,どんなときでも,若い人たちにはまぶしい可能性が内包されています。
高校生と一口に言っても,実にさまざまです。ひとりの高校生も,日によって,その時々によって,場面によって変わります。
高校生らしさ……生徒たちを見ていて,「100メートル全力疾走」という意味は,自分自身に対してまっすぐに生きていくということか,と思いました。
……… 荒瀬克己