学校日記

未来へと続く贈り物 ― ソリストによる特別レッスン

公開日
2026/07/25
更新日
2026/07/23

学校の様子

 第53回オーケストラ定期演奏会に出演してくださった、ドイツ・ブレーメン市立歌劇場専属歌手のイアン・スピネッティ先生とエリアス・ギョンソク・ハン先生が、本番を前に声楽専攻の生徒を対象とした特別レッスンを行ってくださいました。


 7月16日はスピネッティ先生、17日はハン先生による公開レッスン。生徒たちは世界の第一線で活躍する音楽家から直接学ぶ貴重な機会をいただきました。


 スピネッティ先生のレッスンでは、実際に歌いながら、表現をより豊かにする方法やイタリア語の発音などについて丁寧にご指導いただきました。


 「アイスクリームが溶けるように」「おいしいものを食べるように」といった感覚的で分かりやすい例えや、「子音は一瞬だけ現れる通過点。二重子音を音楽の色彩として楽しんで」という印象的な言葉は、生徒たちに新たな表現の世界を教えてくださいました。


 一方、ハン先生のレッスンは、「歌手とは何か」「歌手と役者の違いは何か」という問いかけから始まりました。生徒たちは、自分は何を表現したいのかを改めて考える時間となりました。


 そして何より印象的だったのは、一人ひとりに合わせた指導です。生徒それぞれの持ち味を瞬時に見極め、ある生徒には腕を大きく使って自由に表現するように、また別の生徒には腕を使わず体の内側の動きに集中するようにと、一人ひとりに異なるアドバイスを送られました。その人らしい表現を引き出そうとする姿は、生徒たちに強い印象を残しました。


 レッスン後には、生徒から次々と質問が寄せられました。先生はご自身の経験を交えながら丁寧に答え、「正しいか間違っているかではなく、自分が何を表現したいのかを大切にしてほしい」「今はしっくりこないことがあっても、将来花開く可能性がある」「何歳になっても練習を続けてほしい」と、生徒たちへ温かいメッセージを送ってくださいました。


 お二人と同じ時間を過ごし、ともに音楽を創り上げる経験は、生徒たちにとって何ものにも代えがたい財産です。


 お二人が生徒たちに残してくださったものは、演奏会という一日だけでは終わらない、未来へと続く大きな贈り物となりました。