学校日記

FOUNTAIN(校長室だより)No.6

公開日
2010/08/30
更新日
2010/08/30

校長室から

         京都市立桂坂小学校 山本 泉
 
 夏休みが終わり,学校が始まりました。
今年は,例年になく猛暑日が続き,本来ならまだ夏休みが続いていてしかるべきかもしれませんが,全市で授業日数が決められている以上いつまでも夏休みというわけにもいかず,本校も始業しました。子ども達の体調管理に留意しながら進めてまいりたいと思います。
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近頃よく,「今の学校の先生は大変やね,子どもが悪いことをしたり逆らったりしても,うっかり叩いたりしたら『体罰だ!』とか言うて,すぐに怒ってくる親がいて…。自分らが子どもの頃はしょっちゅう先生に叩かれたもんや。けど,親は『悪いことしたら叩かれて当たり前や。』と言うし,自分らも先生いうのは怖いもんやと思うてた。」などとおっしゃる年配の方がおられます。
確かにそういう時代がありましたし,教師もある意味やりやすかったかも知れません。しかし今,学校の教師は子どもを叩いたりしません。たとえ子どもが間違ったことをしても,じっくり話を聞いて本人が納得できるまで言葉で指導します。確かに現代では,叩いたりすると『体罰』として問題になるかも知れません。しかし,今の教師が子どもを叩いたりしないのは,保護者の方から文句を言われるからとか社会的に糾弾を受けるから,とかいう理由からだけではありません。叩いたりすることが教育的効果が非常に薄いどころか,むしろマイナスであるということが分かってきたからです。
 確かに,『叩かれる』という自分にとって嫌な経験を思い出すことで,同じ過ちを繰り返さないようストップをかけることができる場合もあります。しかし,それは『叩く人』がその場にいて,同じことを繰り返すとまた叩かれるということが条件で,そうでなければほとんど効果がないといいます。
「いや,そんなことはない。自分には叩かれたことで身に付いたこともある。」と思われる方もあるかも知れません。でもそれは,ほとんどが思いこみであって,実はほとんどの場合そのことについて言葉で理由を聞き,自分が納得をしたから身に付いたことであって,決して叩かれて痛かったから身に付いたわけではないはずなのです。
 子どもは自尊感情を持つことによって健全に成長します。叩かれたり怒鳴られたりすることが多い環境では自尊感情が育ちにくく,卑屈になったり投げやりになったりして,場合によっては成長してからの非社会的・反社会的な行為につながったりします。
 勿論,このことは学校だけのことではありません。家庭でも,友達同士の関係の中でも叩いたり蹴ったり怒鳴ったりする場面は,できるだけ無くしていかなければなりません。認められ,褒められ,自分の存在価値を高く感じられる環境を,子ども達のまわりにつくっていくことが大切であると思っています。