FOUNTAIN NO.17
- 公開日
- 2011/08/01
- 更新日
- 2011/08/01
校長室から
H23.8
京都市立桂坂小学校 山本 泉
夏休みに入り,すでに10日余りが経過しました。夏の学習会も終わり,学校に来るのはプールで泳ぐ子ども達のみで,ほとんど子ども達のいない学校は閑散としています。まさに子ども達をご家庭や地域にお返ししている状況です。ご家族で過ごされる時間が長いこの時期,学校がある時にはできない経験をできるだけたくさんさせてあげていただけたらと思います。
さて,この4月より,以前の子育て・教育フォーラムでお話したことのリバイバルを掲載していますが,いよいよ最終章に入ります。これまで,現代社会の中で起こっている子どもを取り巻く気になる状況や,そういった現状を踏まえ,今,学校として取り組んでいることなどを書いてきました。最後に,ご家庭ではどういうことが望まれるのかということについて書いてみたいと思います。
(4) 親が親たることの大切さ(子どもとの関わりで大事なこと)
以前に教育委員会から発行された冊子からの引用ですが,「変に感じる親子関係の例」として掲載されていたものを挙げてみたいと思います。
—夏の海辺。ビーチボールで楽しそうに戯れている親子4人をほほえましく思って見ていました。
そのうち,親子の様子が気になりました。「早くボールとりに行ってこいよ。」と言っているのは小学校高学年位の男の子。走ってボールを取りに行っているのがいつもお父さんなのです。
かつて,親と子の断絶が社会の歪みを生んだとの反省から,家族内に世代や年齢による差をなくす努力がなされました。その結果,行うようになったことというのが,親と子どもが同じテレビを見て楽しむ,家族でカラオケに行く,ゲームセンターで何時間も過ごすといったことでした。これらがすべて悪いということではありませんが,今や,家庭内は生活のみならず,言葉,考え方から判断力まで子どもに合わせ過ぎて,大人の毅然とした姿が見られなくなってはいないだろうかと考えてしまいます。
言うまでもなく親が子どもと同じことをして,同じように楽しんでいれば親子の絆が深まるというものではありません。時には,子どもが,面白いと夢中になっているテレビゲームに,この内容は良くない,価値がないと判断する大人がいることに気づかせることも大切なのではないかと思います。—
ある調査で,中学2年生の4人に3人が「父親は怖くない」と,「やさしいパパ」が多い日本の親子象が浮き彫りにされていました。親と子どもは「お友達」ではありません。「さすがお父さんだ」「お母さんが言うことには間違いがない」と子どもから信頼される力をつけるのはなかなか難しいことではありますが,それが親としての役目であるとも言えると思います。私自信もなかなかできていませんが。
(5) 自分のためにお家の人が何かをしてくれた(嬉しい・心の安定・情緒の安定)
本校には,「本とお話の会」があって,多くのお母さん方が参加しておられて,子ども達に本の読み聞かせをしていただいています。本当にありがたいことだと喜んでいます。
こういった素晴らしい範読は,もちろん子ども達の読書への興味につながってくれるものと思いますが,学校だけではなく,家庭での読み聞かせにつながってくれればと期待しています。
お母さんやお父さんが子どもに本を読んで聞かせることは,子ども達にとってはすごく大事なことです。子どもは,お母さんやお父さんが読んでくれる本の内容を,わくわくしながら聞いています。楽しいひとときです。子どもにとっては,ストーリーの楽しさだけではなく,お母さんやお父さんが自分のために忙しい合間を縫って,疲れているのに本を読んでくれる,そのこともうれしいだろうと思います。
自分のために,お母さんが,お父さんが何かしてくれた。子どもにとってはそのことが大事です。そのことは,子どもの心の安定,情緒の安定に繋がっていくものだと思います。また,その思い出は,きっといつまでも心に残っていると思います。
本とお話の会の読み聞かせが親子の関わりを深めることにつながることを期待しています。
(以下,次号に続きます。)