「やさしくね やさしくね やさしことはつよいのよ」
- 公開日
- 2016/11/02
- 更新日
- 2016/11/02
校長室から
北国や高地の山々では紅葉に色づいているところがありますが,平地では紅葉前線がこれから南下していく時季です。七十二候では,「楓(もみじ)蔦(つた)黄(きなり)」の季節。十分な日射しと昼夜の温度差,適度な湿度が美しい紅葉の条件に。見ごろは葉が色づき始めてから三,四週間後。紅葉が彩る美しい市原野の風景を楽しめる季節がやってきました。
さて,人は誰でもやさしくしてもらって嬉しかったということがあると思います。大人でも子どもでも,きっとたくさんあると思います。子どもたちの学校生活の中でも,教科書を忘れた時,お隣の友達がそっと見せてくれた時,また困ったときに友達がその悩みを聞いてくれた時等々,本当にたくさんの場面があると思います。
やさしくするのもされるのも,とっても素晴らしいことです。何だか嬉しくなるし,温かい気持ちになります。「やさしくね,やさしくね,やさしいことはつよいのよ」,これはねむの木学園の園長先生である宮城まり子さんの言葉です。宮城さんが,体の不自由な子どもたちのためにねむの木学園を開設されて,50年近くになります。体の不自由な子どもたちにとっては,やりたいことができない,行きたいところに行けないなど,思うようにならないことがたくさんあって,苦しいことやつらい思いもいっぱいしてきたことでしょう。でも,ねむの木学園の子どもたちは,いつでもやさしい。宮城さんは,その姿に教えられたそうです。
強いという言葉は,たとえば「力が強い」「芯が強い」などといった時に使われます。やさしいとは強いことと宮城さんが言いますが何だか,正反対のような気もします。大人でも子どもでもそうですが,たとえばだれかとけんかしてしまったときはどうでしょう。ついイライラして,相手の嫌がることを言ってしまうことがあるかもしれません。疲れているときや眠い時にも,優しくできないことがあります。いつでもやさしくすることは,結構難しいことに気づきます。
人は自分の調子が良かったり,何かいいことがあったりすると,やさしくする気持ちになります。でも自分の体の調子や気分に関係なく,いつでも相手の気持ちになってやさしくしようとすると,それに左右されない強さが必要となります。いつも「やさしくね,やさしくね,やさしいことはつよいのよ」と,そっと自分に語りかけながら生活していきたいものです。