きれいだなあというと景色がなおきれいになる
- 公開日
- 2016/05/09
- 更新日
- 2016/05/09
校長室から
きれいだなあというと景色がなおきれいになる
校 長 飛田 義和
五月,市原野の野山には新緑が青々と萌え,気持ちのいい五月晴れが続き,爽やかな風が薫る季節です。この素晴らしい自然をイメージして,5月の朝会で次のような話(要約)をした後,「気持ちの本」という本を読みました。
皆さんは「言葉」が「力」を持っているということを信じますか。日本には昔から「言霊」という言葉があり,言葉は魂をもっていると信じられてきました。私たちの口から出た言葉は,まわりの人に影響を及ぼす力があるのです。
高村光太郎さんという人を知っていますか。彫刻や詩を作った人として知られています。この高村光太郎さんが,「きれいだなあというと景色がなおきれいになる」と言ったそうです。私はこの言葉を聞いて,ますます言葉は大事だなあと思いました。感動したことを言葉にして伝えると,その感動を広げることができます。自分の気持ちを確認することにもなります。
きれいなものを見たとき人は感動するものです。それを自分の心の中でそっと大事にすることもあるでしょう。でも,その感動を素直に「きれい」と言葉にすると,周囲の人に伝えることができます。それは,その景色の美しさにあまり関心のなかった周りの人に伝えることができます。それは,その景色の美しさにあまり関心のなかった周りの人にも気づかせることにもなります。また,自分の声が自分の耳に返ってきて,その景色の美しさは,目からだけではなく耳からも入り全身で感じ取ることができるのです。
言葉には不思議な力があります。思っているだけだと曖昧に感じることでも,表現すると,確かなことになります。また,表現した言葉は自分に返ってくるのです。だからこそ優しい思いやりのある言葉を使わなくてはならないのです。相手を「馬鹿」と言ったら,自分に「馬鹿」と言っていることと同じになります。言葉の持つ影響力は大きいものです。優しい言葉は,ほかほかした温かな雰囲気をつくり出し,汚い言葉は,とげとげとした殺伐とした空気を作ります。
高村光太郎さんが言った「きれいだなあというと景色がなおきれいになる」ということを「がんばるぞというと,なおがんばれるようになる」とか,「あなたに『きれいな字ですね』って褒められたからなお字をていねいに書くようになった」とかに変えてみたらどうでしょう。
たった一つの言葉によって,人は嬉しくなったり悲しくなったりしていることは,皆さんも経験していることと思います。自分の心に感じた,明るいきれいな感情を素直に言葉に表し,みんなが楽しい雰囲気の中で過ごせるようにしたいものです。自分の口から出る言葉が,大きな力を持っていることを忘れずに,言葉を大切にしましょう。