学校日記

ぞうさん

公開日
2017/07/20
更新日
2017/07/20

校長室から

              「ぞうさん」

                   校 長 飛田 義和
 
 一年で最も暑さの厳しくなる時季がやってきました。二十四節気では「大暑」。夏の土用は,立秋までの18日間。乗り越えるのが厳しく,疲れも出やすい時季です。一昔前は(現在でも続いているところもありますが),丑の日には鰻など「う」のつくものを食べたり,「丑湯」という薬湯に入ったり,「土用餅」や「土用蜆」を食べたりするなど,夏を乗り切る様々な習慣が残されています。いよいよ夏休みです。子どももそして大人も,しっかりと健康管理をしていただきたいと思います。

ところで,「ぞうさん」の歌は皆様ご存知だと思います。作詞は,まど・みちおさんで,昭和23年につくられました。曲は昭和28年に団伊玖磨さんが作曲し,NHKラジオで放送されました。
1番の「ぞうさん ぞうさん お鼻が長いのね」誰が誰に言っているのでしょう。おそらく森の中で,猿だかキリンだかが子象に向かって言っている言葉です。「お鼻が長いのね」は「お鼻が長くて変だぞ」という意味です。つまり小象をいじめようとした  言葉です。ところが小象は,「そうよ母さんも長いのよ」と言い返します。けっして,「お前だってお尻が赤くて変だぞ」とか「お前だって首が長いじゃないか」とは言い返しません。鼻が長いことに誇りを持っているのでしょうか。
そう言い返された猿だかキリンだかは,はっとしたのでしょうか。言葉ががらりと変わります。「ぞうさん ぞうさん 誰が好きなの」すると小象は,「あのね母さんが好きなのよ」と返します。たったこれだけのやり取りの中に,母親への愛情に裏打ちされた小象の強さが表現されています。
まどさんは戦前,戦中,戦後と中国で暮らし,日本人と中国人の立場が180度変わる状況を経験しました。その経験をもとに,帰国後この詩を書かれたようです。

最近,「いじめ」が大きく話題になっています。
いじめの根源には,自分と違うものを排除しようとする気持ちがあるのでしょうか?「同調圧力」という言葉もあります。人に自分と同じものを求める圧力であり,少数意見を持つものに,暗黙のうちに多数意見に合わせることを強制することもあります。
大人の世界にも子どもの世界にもみられるものかもしれません。小象の強さについて考えてみたいと思います。