学校日記

Global CitizenshipⅡ~「社会と私」第5回: 誰かの不自由さから、自分の探究の方向性を考える~

公開日
2026/06/23
更新日
2026/06/23

学校の様子

こんにちは、GC教育部です♪


 2年生の総合的な探究の時間「Global CitizenshipⅡ」では、「社会と私」という単元に取り組んでいます。この単元では、自分は何に心を動かされるのか、どのような形で社会と関わっていきたいのかを、LEGO® SERIOUS PLAY®を活用しながら少しずつ考えてきました。


 第1回では、自分が惹かれる“動き”を「自由の種」として見つめ、第2回では、さまざまな制限を外してもなお残る願いや関心を「自由の根っこ」として考えました。第3回では、「好きなこと」「大事にしていること」「自分にできること」を重ね合わせ、自分にとっての「理想の自分」を形にしました。第4回では、自分の関心が社会の中でどのような立場や役割として表れうるのかを考え、「自由の種が育つ場」を探っていきました。


 そして、全5回のまとめとなる今回の第5回では、ここまで考えてきた自分の関心や社会との関わり方をもとに、これからの探究の方向性を考えました。


 今回のテーマは、「誰かの不自由さから、自分の探究の方向性を考える」です。


 これまでの授業では、「自分は何に惹かれるのか」「どのような役割に関心があるのか」という、自分自身の内側を丁寧に見つめてきました。今回の授業では、そこからさらに一歩進み、自分の関心を「誰かの不自由さ」とつなげて考えていきました。


 まず、生徒たちは「やりたいことがあるのに、それを実行できずに不自由を感じている人」を一人思い描きました。ここで大切にしたのは、ただ漠然と「困っている人」を考えることではありません。その人は本当は何をしたいのか、なぜそれができないのか、何がその人を止めているのかを具体的に想像し、一人の人物としてLEGO®ブロックで表現しました。


 たとえば、「本当は安心して学校に通いたいけれど、人間関係への不安から一歩が出ない人」「本当は自分の作品を発信してみたいけれど、人の目や評価が気になって動けない人」「本当は誰かと関わりたいけれど、きっかけがなく孤立している人」など、さまざまな人物像が考えられます。生徒たちは、自分が気になる不自由さを手がかりにしながら、その人の思いや状況を作品に込めていきました。


 作品づくりや対話の中では、「困っている人を考えるだけでなく、その人が本当は何をしたいのかを考えることが大事だと思った」「不自由さは、その人だけの問題ではなく、周りの環境や人間関係ともつながっていると感じた」といった気づきも見られました。


 次に、生徒たちは、その人の不自由さがなぜ生まれているのかを考えました。すぐに解決策を考えるのではなく、「なぜその人は動けないのか」「何がその人の自由を妨げているのか」「周囲の環境や人間関係、社会の仕組みも関わっているのではないか」といった視点から、不自由さの背景を見つめていきました。


 さらに、生徒たちは「その人が見ている世界」を表現しました。これは、実際に目に映っている景色だけではなく、不安や孤立、あきらめ、希望などを通して、その人に世界がどのように見えているのかを想像する活動です。作品を通して、相手の気持ちを決めつけるのではなく、その人の立場に近づこうとする姿が見られました。


 その後、生徒たちは、その人の不自由さを減らし、やりたいことをできるようにするための解決案を考えました。安心して入れる場所をつくること、相談しやすいきっかけを用意すること、少人数で試せる場をつくること、支えてくれる人とのつながりを生み出すことなど、さまざまな工夫が考えられます。


 ここで大切にしたのは、「困っている人を見つけること」で終わらせないことです。その人の不自由さを理解したうえで、どうすればその人が少し動きやすくなるのか、どうすれば選択肢が増えるのか、どうすればその人の自由が少し広がるのかを考えました。


 今回の授業で生徒たちが考えたのは、単に「何をテーマにするか」ではありません。自分は、誰のどんな不自由さに心を動かされるのか。その不自由さに対して、背景を深く調べたいのか、見えている世界を表現したいのか、具体的な仕組みや行動によって解決に近づきたいのか。そうした「自分らしい関わり方」を見つめることが、今回の学びの中心でした。


 授業の振り返りでは、「テーマを決めるというより、自分がなぜその問題にひっかかるのかを考える時間だった」「アプリを作るとしても、まずは誰のどんな不自由さを減らしたいのかを考えたい」といった感想もありました。


 これまで「自由の種」「自由の根っこ」「自由の芽」「自由の種が育つ場」として考えてきたものは、今回、いよいよ具体的な探究の出発点へとつながっていきました。自分の内側にあった関心が、誰かの不自由さと出会うことで、「自分はこのことについて考えてみたい」「この人のために何かを形にしてみたい」「この不自由さの背景をもっと知りたい」という問いへと変わっていきます。


 この後、生徒たちは、自分の関心や進路に応じて、「アプリ開発探究」と「自然科学探究」の二つのコースに分かれていきます。アプリ開発探究では、誰かの不自由さを減らしたり、自由を広げたりするために、アプリという形で解決案を構想し、設計していきます。自然科学探究では、身の回りの現象や環境、生命、物質などに関する問いを立て、観察や実験、データの分析を通して探究を深めていきます。


 進むコースは異なっても、出発点は同じです。


 それは、「自分は何に心を動かされるのか」「誰のどんな自由に関わりたいのか」「そのために、自分はどのような方法で一歩を踏み出したいのか」という問いです。


 「社会と私」で見つけた自分なりの関心を手がかりに、GCⅡの探究はここからいよいよ本格的に始まります。生徒一人ひとりが、自分なりの問いと一歩をもって、どのように自由を広げていくのか。これからの学びが楽しみです。