Global Citizenship1 「異文化理解・国際協力〜第2回JICA海外協力隊の方の体験談・要請書の読込み〜」【後編】
- 公開日
- 2025/12/26
- 更新日
- 2025/12/26
学校の様子
こんにちは、GC教育部です♪
1年生GC1の第2回目の授業では、JICA海外協力隊の帰国隊員の体験談と要請書の読込みを行いました。この回は、国際協力を「知識」や「制度」として理解するだけでなく、人が異文化の中で生き、迷い、学び続ける営みとして捉えることを目的としています。
授業の前半では帰国隊員の体験談として藤田寿乃さん(ルワンダ)、本校卒業生の宮本拓海さん(マラウイ)、景山晋之介校長先生(ブルガリア)に、それぞれお話をしていただきました。
授業の後半では、これから生徒たち自身が参加する 高校生地球市民ボランティアプログラム(GCVP) に向けて、派遣先となる架空の国・村から出された要請書の読込みに取り組みました。この時間は、前半で聞いた帰国隊員の体験談を踏まえ、「国際協力において、まず何を読み取り、何を疑い、どこから対話を始めるのか」を考える、極めて重要な場面となりました。
生徒たちは最初、要請書に書かれている課題や要望を「解決すべき問題」「与えられたミッション」として、そのまま受け取ろうとする傾向が見られました。しかし、藤田さんや宮本さん、景山校長先生のお話を思い出しながら読み進める中で、次第に立ち止まるようになります。
「これは誰の言葉なのだろう」「この要請は、村の全員の声なのだろうか」「書かれていない人の存在はないのだろうか」といった問いが、生徒の間から自然と生まれてきました。
要請書は、村が抱える課題を整理した“答え”ではなく、ある立場から切り取られた現状の一側面にすぎないことに、生徒たちは気づき始めます。行政側の視点、声を上げやすい人の意見、外部に向けて説明しやすい課題だけが、そこに反映されている可能性があること。そして、その裏側には、声を上げられない人や、違う考えをもつ人がいるかもしれないという想像が広がっていきました。
また、「要請書に書いてあることをそのまま実行することが、本当に村のためになるのか」という問いも投げかけられました。支援する側の善意や効率性が、かえって当事者の主体性を奪ってしまうことがあるという前半の体験談を踏まえ、生徒たちは「すぐに何かをすること」よりも、「まず聞くこと」「確かめること」の重要性を意識し始めます。要請書は行動計画ではなく、対話を始めるための地図であるという理解が、少しずつ共有されていきました。
読込みの中では、「この課題が生まれた背景には何があるのか」「自分たちが本当に知るべきことは何か」「村の人にまず何を聞くべきなのか」といった問いを言葉にする時間も大切にしました。生徒たちは、解決策を考える前に、問いを深める必要があることを実感し、ヒアリングで確かめたいことを一つひとつ整理していきました。
この要請書の読込みは、単なる資料読解ではなく、生徒たちが「支援する側」としての姿勢を問い直す時間でもありました。書かれている情報を鵜呑みにせず、分からなさを抱えたまま相手に向き合うこと。正解を急がず、相手の声に耳を傾け続けること。その姿勢こそが、次回から始まる村民役とのヒアリングにつながっていきます。
要請書を前に立ち止まり、問いをもつことができたこの経験は、国際協力に限らず、これから多様な他者と関わっていく上での大切な基盤となります。生徒たちは今、答えを出す準備ではなく、対話を始める準備を静かに整えています。