憲法記念日によせて
- 公開日
- 2010/05/06
- 更新日
- 2010/05/06
校長室から
憲法記念日によせて
5月3日は、「憲法記念日」です。京都市では毎年5月を「憲法月間」として京都市民に憲法や人権を守ることの大切さを訴える様々な取組を行っています。
さて、現在の日本国憲法は、1946年11月3日に公布され、翌年5月3日に施行されました。このことを記念してできたのが「憲法記念日」です。そして、この憲法は、交付されてから内容が1度も変わらない世界で最も古い憲法だそうです。この憲法は、日本が、第二次世界大戦で、日本の国民に大きな犠牲を強いただけでなく、アジアの近隣の国々に多大な損害を与えたことの反省の中から、特に大切にしなくてはならない大きな3つの柱から出来ています。
その柱とは、「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」です。特に「基本的人権」とは、人間が生まれながらに持っている権利のことです。そして日本国憲法には、「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことの出来ない永久の権利として現在及び将来の国民に与えられる」と定められており、また、「国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」とも述べられております。
人間は、自分が成長していく中で、様々な差別や偏見を持つものです。「私は、自分以外の人や物に何の偏見も持っていない。差別したことはない」と言い切れる人は、よほど強い意志を持った人か、なにもものを考えない、感じない人ではないかと思います。私も様々な偏見を持っています。ただ、自分が偏見を持ち、人を差別したことに気がついたとき、そういう自分を恥じてもいます。人は、気がつかずに差別をしていることもあると思います。そこで、人間は、自分以外の者に対する差別や偏見を持っていると認識することからスタートしてみてはどうでしょうか。その偏見をなくすために勉強し、相手の立場に立って物事を考えたり感じたりすることにより、少しずつ差別や偏見が自分の中からなくなっていくのではないでしょうか。人は常に、そういった自己点検を繰り返すことが必要です。まさに、自分との戦いになります。中国の孔子は、「己の欲せざるところは人に施すことなかれ」私の好きな言葉ですが、「自分がしてほしくないことは、他の人にもしない。自分が他からしてもらいたいことを他の人にもしてあげよう。」この言葉は、人権問題を考える時、原点になる考えだと思っています。そして、なかなかそういったことを行動には移せませんが、いつかとりたてて意識しなくてもそう行動できる人間になろうと思っています。そのためには、新聞と本を読む習慣を是非ともつけて、自分の言葉でものを考え、自分の言葉で意志を伝えることに努力してみてください。先生の先輩のある校長先生は、「言葉は必ずしも万能ではないけれども、我々人間は自分の考えや気持ちは言葉でしか相手に伝えることはできないから、言葉を大切にしてほしい」ということを常々、おっしゃておられました。先生は今でも全て出来ませんが、ひどい言葉を相手に投げかけたと思った後はとても後味の悪い思いをし、また反省もしました。繰り返しますが、人間はこのようにすぐには思っても実行出来ません。しかし、前よりちょっとだけよくなろうと思い続けることが大切です。どうぞ、憲法記念日をきっかけに少し考えてみましょう。