学校日記

新しき年の始めの・・・

公開日
2011/01/07
更新日
2011/01/07

校長室から

 新年、明けましておめでとうございます。
 新しき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重け吉事
(あらたしき としのはじめの はつはるの きょうふるゆきの いやしけよごと)
万葉の歌人、大伴家持が新年にあたり詠んだ歌である。歌の意味は、「新春の今日降り積もる雪のように、良い事も積重なってゆけ」ということである。昨年の大晦日から、今年の元旦にかけ、記録的な大雪が降る中、この歌を思い出した。この歌が詠まれた奈良時代には、正月の大雪は、豊年の瑞兆とされたそうだ。しかし、現在の日本の国は、政治や経済が混沌とする中、先行きが見えず、明るい未来像を示せないでいる。たぶん、家持の時代にも皆が幸福ではなかったから、祈るような気持ちをこの歌に託したのではないかと思う。では、今の我々大人が、学校ができることは何かと考えた時、出せる答えは1つである。『生きる力』(確かな学力・豊かな心・健やかな体)を身につけることの手助けをすることではないだろうか。中学の3年間は短いものである。その中で付けられるだけの知力・体力を付け、自立はもとより、自律できる人間になっていってほしい。それと共に、少しでもいい、世の中には自分と考えが違う人がいることに思いをはせてほしい。そして、自分とは考えの違う人を仲間はずれにするのではなく、言葉を交わしてお互いに理解する努力をほしい。元旦からこのようなことを考えていると、今話題の99歳の詩人、柴田 トヨさんの『くじけないで』という詩集に出会った。その中の2編を紹介する。
【くじけないで】
ねぇ 不幸だなんて ため息をつかないで
陽射しやそよ風は えこひいきしない
夢は 平等に見られるのよ
私 辛いことがあったけれど 生きていてよかった
あなたも くじけずに
【貯金】
私ね 人から やさしさを貰ったら 心に貯金しておくの
さびしくなった時は それを引き出して 元気になる
あなたも 今から積んでおきなさい
年金より いいわよ
 99歳の彼女が読むこの詩を聴いて私もやっと「今年も少しだけがんばってみよう。」という気になり、胸が熱くなった。どんな時にも、うまくいかない時、時代や人のせいにするのはたやすいが、まず、自分に返すことから始めてみようと思った。