人権月間によせて
- 公開日
- 2009/12/01
- 更新日
- 2009/12/01
校長室から
人権月間によせて
12月は、「人権月間」です。このことは、人類史上、類を見ない大きな犠牲を払った第二次世界大戦が1945年に終結し、その戦争の反省から、1948年12月10日に国際連合総会で「世界人権宣言」が採択されたことがその起源となっています。
では、世界で最も人権が侵されていることは何でしょうか。それはいうまでもなく「戦争」です。日本では、60年以上戦争のない状態が続いていますが、世界では、アフガニスタンやイラクだけではなく、世界のあらゆるところで紛争が起きています。そして驚くことに戦争は大人だけではなく子供までもが自分の意志に反して少年兵として、戦争に参加させられています。君たちよりももっと幼い子供たちがです。
では、日本がまったく平和で安全な国かといえば残念ながらそうではありません。毎年交通事故で亡くなる人以上、つまり3万人以上の人々が自殺をする状態がここ何年も続いています。このような国は世界のどこにもありません。戦争がなくて食べるものも着るものも溢れている国なのにです。また、毎日、新聞紙上には殺人や強盗といった凶悪事件が載らない日はありません。また、同和問題をはじめ民族・障害者・女性だからといった様々な差別が存在する、私たちはこういう国に生きているのです。
では、この中京中学校はどうでしょうか。学校では各学年ごとに折に触れて「人権」をテーマに学習をしています。また、「PTS活動」(学校を花一杯にしよう)や生徒会を中心にした「CAN活動」(経済的発展の遅れている国に、アルミ缶を売ったお金を援助しよう)、「敬老の集い」といった様々な活動とその意義について学んできました。まだまださせられていると思っている範囲を出ない人もいるでしょうが、多くの生徒達はそのことに胸を張って生きているのではないでしょうか。しかし、良いことばかりでしょうか。人のいやがることを言ったりしたりしていないでしょうか。自分と相手とを力関係で考え、自分より弱い人に偉そうに接したり、弱いと思っている人から注意され、逆ギレしている人はいませんか。また、携帯電話のブログに悪口を書き込んだりする人はいないでしょうか。人に向かって「死ね」と言っている人はいないでしょうか。確かに人間、特にまだ未成年の君たちは相手を傷つけたり、傷つけられたりする失敗を通して人間関係の距離の取り方を学んでいきます。しかし、人のいやがる事をわざと言ったりやったりすることには、大変悲しく情けない思いがします。
今年は、1年生は、「障害者」2年生は「在日韓国・朝鮮人」3年生は「現存する様々な差別」の問題を学びます。正しい知識は差別をなくす第一歩です。しかし、もっと大切なことは自分は本当に「己の欲せざるところは人に施すことなかれ」つまり「自分がされていやなことを人にしていないか」をもう一度考えてみることです。今後私たちがが生きていくこの複雑な世界の中で「正しい人権意識が自分の身を守る」ということを信じて実行することです。つまり、一人一人が直面する現実にどう対応していくかが問われている時代だということです。
どうぞ、自分も他人も大切にできる人間になってください。
校長 戸塚 恵美子