プラスアルファ
- 公開日
- 2010/11/03
- 更新日
- 2010/11/03
校長室から
プラスアルファ
先日「京都市学校進路指導委員会」(京都市立中学校の進路指導研究会、特別活動研究会及び京都市立高等学校の教務主任会、進路指導研究会連絡協議会、工業教育研究会、及び校長会、定時制副校長会で構成され、中高連携を軸に進路指導全般の取組を行っている)の中で、宮沢 之祐氏(神戸新聞社論説委員)による「社会が教育に求めるもの」と題された講演を聞く機会があった。彼の取材の中で、神戸の各企業が必要としている人材は、
1,仕事を行う上で、言われた事でだけでなく、自分が考えてもう一歩、プラスアルファを 付け加えることができる人。
2,コミニケーション能力がある人。(相手の立場に立って考えることができる)
3,みんなで力を合わせる事ができる人。(協調性)
以上のことを挙げておられた。このことは、決して大人になり、仕事をする上の能力だけではなくて、現在の学校生活で、生徒たちが必要とされる能力であり、学校教育の中で訓練する能力でもある。昨今の教育現場はややもすれば「学力重視」に大きくシフトし、人間力(上記の3点)が二の次になる傾向がある。「確かな学力」を身につけることはもちろん大切である。しかし、人のいやがる事をしていても、されている人の痛みが想像できなかったり、チームで一つのものを作り上げようとするする時に、自分がどのような役割をすればそのチームがうまくいくのか考え、行動できなかったりする(自分勝手・わがまま)こともままあることである。本校の今年の文化祭や体育大会の生徒の感想を読むと、ほとんどの人が、結果を問わずクラスや生徒会で力を合わせて1つものを作り上げたことへの充実感が記されている。その思いを行動化できる人間になって行くことが今後の課題であるし、願いでもある。
ところで、10月24日(日)に、中京中学校グランドにおいて、「中京祭り」が開催された。その中で、例年行われている「わいわい広場・絆」のブース(ラミネーターでのしおりづくりやプラ版キーホルダーづくり、育成学級による物品販売等)を、今年から中京区8校の生徒会の生徒が運営した。夏休みに1回、8校の生徒会全体で交流会を行っただけで、当日を迎えた。各校の生徒会担当教員は、当日必要な材料を運び込むだけで口出しはしなかった。時間を区切って担当する2〜3校の生徒会の生徒たちは、事前打ち合わせがほとんどない中、自然とリーダーができ、生徒たちはその場で短時間打ち合わせを行い、役割分担し、小さなお客さんの相手をしていた。なかなかの盛況ぶりであり、午後はますますブースへの来場者が増えてきた。その時である。ある学校の生徒が、隣のブースが終了していることに気づき、自分で判断して、隣のブースの担当者に単独、空いているブースの1部を貸してくれるように交渉に出かた。幸いなことに理解ある担当者で、すぐにその場所を貸してくれることになり、前よも多くの小さなお客さんをさばくことができた。その生徒はその後、何事もなかったかのように、淡々と他の生徒と一緒に小さなお客さんを相手に丁寧に対応していた。その間、彼は一度も教師に相談もしなかったし、顔を見て了解を求めるそぶりもなかった。まさに「プラスアルファ」の行動であった。われわれ大人でも、これだけの行動ができる人間はそういない。彼がどうしてこういうことができるようになったのか知らないが、未来に少し光明を見た思いがして、その日1日、すがすがしい思いで終わることができた。