学校だより「轍」12月号より
- 公開日
- 2020/11/30
- 更新日
- 2020/11/30
校長室より
世界は第二次世界大戦の戦禍を反省し,1948年12月10日の第3回国際連合総会で,すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権についての「世界人権宣言」を採択しました。12月10日を記念し,その日を「世界人権デー」,さらにその前一週間,すなわち12/4〜10を「人権週間」,12月を「人権月間」と位置づけ,毎年全ての小中学校で人権を考え,自分を振り返ろうという取組を展開しています。
私たちの世代で流行った時代劇に勝新太郎主演の「座頭市」がありました。盲目の主人公は普段,頭のとても低い人で,時にはヘラヘラとへりくだっています。しかし「ある言葉」をきっかけに鬼の形相となり,大魔神のごとく体幹が伸びて悪人を切り捨てていきます。その「ある言葉」とは,視覚障害者に対する,いわゆる「差別用語」です。「差別用語」は,他にも聴覚障害者に対するもの,知的障害者に対するもの,肢体障害者に対するものもあります。さらには,在日韓国朝鮮人に対するもの,性的少数者に対するもの,被差別部落に対するものなど多数存在しています。そしてなぜそれが「差別用語」なのかと考えたとき,いずれもに,蔑視,さげすみ,馬鹿にする,そんな感情が込められていることに気づきます。
SNSでひどい誹謗中傷に晒されたタレントが,自殺するという事件が発生したことはまだ記憶に新しいと思います。言葉が人の命まで奪う許されない出来事です。その言葉を発した人達は,極めて無責任にその言葉を発していたように思います。
日本全国で全ての小中学校で人権教育が毎年行われ,子ども達はたくさんの人権問題に触れ,考え,人権の大切さ,差別を許さない心を育てています。しかし一方,社会には耳を疑いたくなるような,ひどい差別用語や,ヘイトスピーチ,ネット上の匿名性に隠れた誹謗中傷があふれています。学校での学習を覆い潰し,差別を再生産するかのような文化がまだ日本社会には歴然と存在しています。そう考えると,人権学習は学校だけでは不十分だし不足していると感じます。私たち全国民が,生涯学習として人権を意識し,常に学び続ける姿勢が大切なのではないでしょうか。
ポイントは他人事から自分事に出来るかどうかだと感じています。子ども達が学習するこの人権月間。各ご家庭におかれましても,一回でもいいので食卓にその話題を載せて頂ければうれしく思います。