「ヤバイ」がヤバイ
- 公開日
- 2018/10/16
- 更新日
- 2018/10/16
校長室から
子どもたちの会話が聞こえてきます。「それヤバイんちゃうん。」「ヤッバッ。」「ヤバイ,ヤバイ。」何を話しているのかと思えば,新しく買ってもらったスニーカーの事。つまり,「ヤバイ」は「それ,いいね。」という称賛の意味で使われているのです。
「やばい」は,「不都合」「具合が悪いようす」を意味する形容動詞の「やば」が形容詞化した言葉です。ですから,元はかなり否定的な意味を持っています。ところが,現在では「すごい」という意味が派生して,先の会話のような使われ方をしています。「不都合・具合が悪い」から「すごい」へと完全に意味が入れ替わってしまったのであれば,それはそれでいいのですが,場面によっては,やはり否定的な意味で使われているような気がします。
先日,通りすがりの人の身体的な特徴に対して,「やばい」という言葉を使った子を注意しました。その子は,「すごい」という意味でこの言葉を使ったのかもしれません。でも,たとえ面と向かって言ったわけではなくても,その人の気持ちに寄り添う,その人がどう感じるかを考えることができれば,違う表現ができたはずです。「あなたの○○はヤバイですね。」と言われたら,どんな意味なのか分かりません。多くの人はうれしくないし,困惑するでしょう。傷つく人もいるかもしれません。でも,子どもたちにそれを理解するのは難しく,パッと言葉が先行してしまいます。
他にも注意して使いたい言葉はあると思います。子どもたちの言語環境は,学校や家庭で出会う言葉で作られていきます。学習,会話,読書,テレビやネットなどのメディアからどんどん吸収しています。子どもたちの言語環境に留意しながら,私自身も気を付けようと思います。