学校日記

人権月間〜ざわちんに思う〜

公開日
2014/12/15
更新日
2014/12/15

校長室から

人のうわさも何日…などと言われることも多いのですが,美白をうたった化粧品が原因で肌に黒ずみや荒れを生じた事件もあまり報道されなくなりました。また声優のアイコと自称した人がこん睡強盗で捕まったこともありましたが,この人のニュースは最初は女性なのか男性なのかよく理解できませんでした。とにかく綺麗にお化粧をしている時と男の子のような恰好をしている時のギャップには驚かされました。こんなお化粧はなんと太古の昔から人類のテーマにもなっていたことはビックリです。エジプトのツタンカーメンの時代から,あるいはメソポタミア文明の頃には,まじないや日焼け止めの意味も込めて美白は上流階級のファッションになっていたようです。土や木の実と同じようにそのころから盛んに使われていたのが「鉛」由来の成分だったということは,そのころから副作用との闘いだったのでしょう。中世ヨーロッパでは美白のために使う鉛の副作用で歯茎が黒ずむ,歯が抜けるなどの症状が多数出たことにより,その症状を隠すために今度は扇子文化が出てきたようです。
 そのころ日本でも白塗りと言って顔を白くするのが一般でも流行になっていたらしいのですが,その極めつけが歌舞伎役者の化粧法でした。江戸時代の高名な歌舞伎役者であった坂田藤十郎は自分の格好と顔を見ながら「なぜ男の私が女の格好をして化粧を施し舞台に立たなければならないのはいやしい身分に産まれたためか…とさめざめと泣いた。」とあるのは菊池寛の「坂田藤十郎の恋」という話の中に出てくる一節です。そこまで厚塗りをしなくてもやはり日本でもおしろいは一般的な化粧であったようです。今でいうなら差し詰めファンデーションでしょうか,このおしろいの大量製品化に世界で初めて成功したのが小林コーセー化粧品という会社だったことはあまり知られていません。
 さてお化粧で一躍テレビの人気者になったタレントさんと言えば「ざわちん」です。最近ではマスクを外していることもしばしばですが,鼻筋から上だけで安室の顔にメークしたり大島優子になったりとかお化粧の威力には驚かされます。このざわちんがなぜお化粧を上手にするようになったのか本人が話している記事を読んで考えさせられました。日本人の父とフィリピン人の母親を持つ彼女は同級生から相当ないじめにあったようです。そんな自分の顔をどうにかして変えたいと考え小学生の頃から,お化粧をして変身したようです。濡れ衣やいじめからの脱出のため化粧をしたという話になぜか坂田藤十郎や声優のアイコのようにしたくてしたお化粧ではなくて生きていくためにお化粧をせざるを得なかった人たちとかぶるのは私だけでしょうか。
 性同一性障害の人,産まれによって生き方を規定されてしまった人,凄惨ないじめを受けた人,薬害でひきこもりになった人,そんな人々は意外にも自分たちの近くにいらっしゃるのではないでしょうか…もちろんそれで強盗をしちゃあだめですけどね。
今年度の人権月間はお化粧の歴史からざわちんに行きつきました。みなさんも身の回りのことをふと立ち止まって人権について考えてみてください。
                                   
校 長   安 田  曜