最新更新日:2024/09/18 | |
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卒業生へ 感謝!
式辞
さて,卒業生の皆さんは今,「嘉楽中学校に入学して,本当によかった」と,心から思えていますか?実は,3年前の入学式で,新入生代表だったK君が,「誓いの言葉」の中で,このように誓っていました。「中学校では,自分で考え,責任感を持って行動することが求められます。何事にも先生方に言われたことだけでなく,自ら目標を立てて,多くの友達との絆を深めながら充実した三年間を過ごし,卒業する時に『嘉楽中学校に入学して,本当によかった』と心から思えるように,努力していきます」 私は,皆さんの入学と共に,嘉楽中学校に着任したので,彼の力強い誓いを,一番最初の「ライオンハート」として,「学校だより」に掲載しました。その後,3年間で掲載した皆さんの「ライオンハート」は,延べ300人を超えました。 1年生のとき, ・休んでいたクラスメイトのために,「僕が届けます」と言って,配付プリントを,家にまで届けてくれた人がいました。 ・係でもないのに,黒板を隅から隅まで,ピカピカになるほどきれいに拭いてくれた人がいました。 ・足を怪我され,松葉杖を使用して授業に行かれる英語の先生のために,教材の入ったカゴを,毎回持って運んでくれた人がいました。 ・合唱コンクールの練習中,気分が悪くなったクラスメイトのために,校内を駆け回って,養護の先生を探してくれた人がいました。 ・登校中,私と出会ったとき,「部活の公式戦に応援にきていただき,ありがとうございました」と,わざわざ言ってくれた人がいました。 ・昼食後,給食のコンテナが教室に残っていたら,何も言わず自主的に返却しに行ってくれた人がいました。 ・定期テスト前に,自分の判断で早く登校して,教室で勉強している人がいました。 2年生になると, ・遠く離れた場所からでも,元気な大きな声で,「おはようございます」とあいさつしてくれた人がいました。 ・校外学習で,乗車券を落としてしまった人に,拾ってていねいに手渡してくれた人がいました。 ・担任の先生のモノマネで,いつも周囲を笑わせ和ませてくれた人がいました。 ・欠席しているクラスメイトがいたら,その人の代わりに,学習プリントを,とてもきれいに書き写してくれた人がいました。 3年生になると, ・新着任された先生を,職員室まで案内してくれた人がいました。 ・決して最後まであきらめない精神力を持って,部活の公式戦で活躍した人がいました。 ・炎天下のグランドで,最後までチームの仲間に,大きな声をかけながら,粘りに粘って勝利を掴んだ人がいました。 ・試合に負けても気持ちでは負けないという熱いハートで,最後まで大奮闘した人がいました。 ・部活動の夏季大会中ずっと,仲間の応援に駆けつけてくれた人がいました。 このように, 皆さんには,頼まれたわけではないけれど,気づいたらすぐ行動する,困っている人がいたら,優しくサポートする,周りの人に,さりげなく気遣いができる,何事も真面目にコツコツ頑張る,クラスや学年の絆を深めるよう努力する,そして何よりも,感謝の気持ちを忘れない,という素晴らしい「ライオンハート」が,3年間の日常の学校生活の中にたくさんありました。 そのことは,これから先,AIなど科学技術が,過速度的に進歩していく社会の中において,人として決して忘れてはいけない大切なものを,皆さんから教えてもらったように思っています。そう考えると,「学校祭文化の部」で上演した「つながり 継(つ)ぐ想いと繋(つな)ぐ心」は,皆さんにとって,3年間の集大成であったことに,間違いありません。そして,エンディングで,迫力ある声量と,素晴らしいハーモニーで歌ってくれた「HEIWAの鐘」の歌詞にある「拳(こぶし)をひろげてつなぎゆく,心はひとつになれるさ」は,まさにこれまで皆さんが,積み上げてきた真っ直ぐな思いと,仲間との絆を象徴する言葉と言えるでしょう。 いよいよ嘉楽中学校は,創立70年の節目を超えて,新たなスタート地点に立ちますが,これからの嘉楽中学校だけでなく,世界中の人々が,改めて大切にしなければならない一人一人の人間の心のあり様を示してくれたことに感謝します。 本校の教育目標は,「将来の夢を実現するために,自らを磨き続けられる人間の育成」です。そこで,皆さん一人一人の「ライオンハート」を,これからも決して忘れず,それを磨き続け,将来の夢や希望を叶える「風に立つライオン」になってほしいと思います。 結びに,卒業生の皆さん,もう一度,尋ねます。「嘉楽中学校に入学して本当によかったですか?」私は,嘉楽中学校で皆さんに出会えて「本当によかった」と思っています。皆さんの幸せを心から遠くからいつも祈っています。ありがとう,さようなら。 平成30年 3月15日 京都市立嘉楽中学校 校長 井上 浩史 |
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