京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/31
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学校教育目標「将来の夢を実現するために,自らを磨き続けられる人間の育成」

「虐待と子どもの人権」

11月は『児童虐待防止月間』なので,「虐待と子どもの人権」についてお話します。

 地域の方などから児童相談所へ虐待通告される件数は年々増加しており,児童虐待が後を絶たない状態が続いています。暴力などの身体的虐待と育児放棄であるネグレクトが多く,虐待の約8割を占めています。また,虐待された子どもの約半数は6歳までの幼い子どもたちです。子育てに悩んでいたり,困っていたり,疲れていたりしている家庭が大変多くなっていると言えます。
そこで,日々虐待を受ける状況に置かれるという体験が,幼い子どもにどのような影響を及ぼすのかについて考えてみます。

0歳〜2歳までに大切なことは,「基本的な信頼感を持たせる」ことです。

赤ちゃんは痛みや空腹などを感じると,自らそれには対処ができないため,めいっぱい泣くことでそれを訴えます。放っておかれれば死んでしまいます。だから養育者が絶対に必要です。この話からも乳児期のネグレクトが深刻な問題であることはおわかりになると思います。養育者は子どもの要求を読み取り,満たすことで赤ちゃんを快適な状態に導きます。この体験の繰り返しを通して,赤ちゃんの心に宿るのは「生まれたこの世界は安心だ,求めれば必ず救われる」という絶対的な信頼の感覚です。この時期にひどい虐待を受け続けると,強い人間不信に陥ります。

 3,4歳までに大切なことは,「自分をコントロールする力をつけさせる」ことです。

子どもをしつける時期です。2歳ぐらいから運動機能も発達して,楽しく動き回る反面,叱らなければならない行動も目立ってきます。ただ,叱ることも必要ですが,それ以上に大切なのは,お父さんやお母さんのようになりたいという子どもの気持ちを尊重してやり,できたことをほめて認めてやることです。この時期に暴力などの強烈なしつけをすると,恐怖心や被害感を与えてしまうことになり,子どもは常に人の顔色を見て行動するなど自信を持てなくなります。

昨今養育者が,子育てを相談する相手がいなくて孤立していたり,様々なストレスが子どもに向いたりするなど気持ちに余裕がない環境に置かれていることが多くあります。

『子育ては,手間がかかります,時間がかかります,心を遣います』

スピードと利便さが求められる現代社会の方向性とは正反対です。だから,「子育ては難しい」と学校や地域全体で共有し,できるだけたくさんの人たちで,子育てを支援することができればと考えていますので,遠慮なく本校にも相談をして下さい。養育者が焦らずに,ゆったりとした気持ちでしっかりと子どもと向き合えたなら,子どもの人権は守られると思います。

嘉楽中学校 校長 井上 浩史
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