京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/25
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学校教育目標「将来の夢を実現するために,自らを磨き続けられる人間の育成」

「子どもから学ぶ」

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「子どもから学ぶ」についてお話します。

 私にとって忘れられない生徒の1人を紹介します。
小学生時は優等生で,中学入学後もクラスのリーダーとして活躍していました。遅刻もなく身だしなみの乱れもありません。ところが,2年生の後期に家出をしました。どこかで野宿して,翌朝に帰ってきました。母親も私も家出という行為を叱りつけました。収まったように思ったのですが,その後も数回にわたり家に帰りたがらない行動を繰り返しました。
3年生では,数日間続く家出をしました。私は予想できる行動範囲を夜遅くまで探しましたが,見つけることはできませんでした。その後,夜に祖母宅に帰ってきたという連絡を受けて駆けつけました。連れ戻そうと説得をしましたが,ただ泣くばかりで全く動きませんでした。私は自分自身が子どもとつながっていないことを思い知らされた気持ちになりました。しばらくすると,警察にお世話になることになりました。卒業後は高校に進学しましたが,中途退学しました。

家出とは,文字通り家を出るわけですから,「自立行為」と言えます。ただ,生まれたときから自立している人はいません。小さいときは親にひっついています。徐々にひっついたり離れたりを繰り返しながら離れていくことで精神的に自立していきます。中学生ぐらいの時期がちょうどひっついたり離れたりを頻繁に繰り返す過渡期ですから,それを相手する親は大変です。昨日はベタベタひっついてきたのに,今日は反抗的な態度になるなど,「子どもが何を考えているかわからん?」という声をよく聞くのは,そのためです。そういった段階を経て20歳前後ぐらいで実際に家を出る人もいますし,家を出なくとも精神的に自立します。ですから,本来,中学生ぐらいの時期は心の中で激しい葛藤が起こりますが,親子げんかをしたとしても家の中で収まることが多いと思います。

 このように考えると,早過ぎる家出に対しては,「自立するために,もっとしっかりひっついて下さい。これでは僕は自立できません」「急に離さないで(冷たくしないで)下さい。まだ,僕には自立する準備ができていません」という子どもからの心のメッセージと理解することができるのではないでしょうか。そして,家出という行為で気づいてもらえないなら,あとは警察にお世話になるしかなかったと理解できるわけです。

 この子どもとの出会いを通して,子どもの行動には何か深い意味があるのではないかと思うようになりました。振り返ってみると,親や教師にとって手がかかる子どもほど,学ぶことが多いように思えてなりません。これからもたくさんの子どもたちとの関わりの中で「子どもから学ぶ」姿勢を持ち続けたいです。

嘉楽中学校 校長 井上 浩史

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月行事
2/19 1,2年テスト前自主学習
2/20 1,2年土曜自主学習会
2/22 登校指導
1,2年テスト前自主学習
公立高校前期選抜検査合格発表
ベル着点検
2/23 登校指導
1,2年テスト前自主学習
ベル着点検
2/24 1,2年定期テスト1
2/25 1,2年定期テスト2
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