最新更新日:2024/08/27 | |
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「いじめと子どもの人権」「いじめ」は心に深く傷を負わせる行為です。その主な被害は,被害者の心の中で起きているだけに,他人が外から判断することがとても難しいです。よって,「いじめ」の判断は,いじめられた児童や生徒の立場という被害者側に立ってする必要があります。そして,「いじめ」によって自分の存在を否定されることは,人権侵害以外の何ものでもありません。 文部科学省の調査では,「いじめ」の被害者と加害者は頻繁に入れかわること,小学4年〜中学3年までの6年間に「いじめ」の被害または加害の経験のない子どもはたった1割程度しかいないという結果もあり,「いじめ」は,どの子どもにも起こりうる状況が実際にあります。 最早「いじめ」は身近にあるものになったと言えます。 そこで,私はこれまでの経験で,いじめが起こりにくい環境づくりがとても大切であると考えています。以前勤めていた学校の教職員が子どもたちの日常の「いいところ」を積極的に見つけようと心がけ,それを続けていく中で,子どもから「友だちのことを知るときは,いいところから見ようと思うようになった」という声が出てきました。また,子ども同士でお互いに「いいところ」を見つけることを促したところ,「いじめや嫌がらせの防止につながると思う」という子どもの声も聞けるようになりました。お互いの良さを見つけ,お互いを知った上で,人間関係づくりを進めることが,大変効果のあることだと実感しました。 現在,本校では,一人一人の子どもの「いいところ」を『○○先生が見つけたライオンハート』として,『嘉楽中学校だより』に掲載中です。子どものみならず,保護者の方にもご覧いただければと思っています。 昨年10月に「京都市いじめの防止等に関する条例」が制定されました。いじめの未然防止,早期発見,早期対応のために,京都市,各学校などが行うべきことなどが定められていますが,その中に「保護者の責務」についての規定もあります。いじめをなくすために,子どもたち自身だけでなく,学校,家庭,地域が一体となって取り組んでいこうというものです。ただ,「法律や条例があるから,いじめをしない」のではなく,大人も子どもも一人一人が自分の問題として考えて行動することが,解決に向けての確かな一歩と言えます。 |
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