最新更新日:2024/09/17 | |
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がんばりマメ
休日参観には,多数の保護者の皆様にお越しいただき,また,親子製作にご協力いただき,ありがとうございました。
子どもたちは,一本歯下駄,竹馬のある生活を始めています。 でも,これらに乗れることが最終目標ではありません。 一人一人一本歯下駄や竹馬とのかかわり方を見つめ,寄り添っていきたいと思います。 次の文は,「京都市の学校保健」に数年前に寄稿したものを手直ししたものです。 「がんばりマメ」 「痛いの,痛いの,飛んで行けー!!」。子どもが転んだり,どこかで打ったりして,痛さや驚きのあまり泣き出したりした時に掛ける魔法の言葉ですね。この呪文で,子どもたちは泣き止んで,けろっとしたりしますね。 ところで,鉄棒,靴擦れなどで,「マメ」ができたことはないでしょうか。「外傷性水疱」というのでしょうか。京都市立の幼稚園では,子どもたちは竹馬で遊びます。 自園でも,4歳児が「一本歯下駄」,5歳児が「竹馬」で遊んでいます。それらは,休日参観日に,子どもたちが保護者と一緒に製作したものです。子どもたちは,(年長さんになったら竹馬に乗るんだ。)と,意欲や憧れの気持ちをもっています。ましてや,お家の方と一緒に製作した竹馬です。保護者が我が子のために手塩にかけて製作した竹馬です。自分のための,世界で一つの竹馬です。子どもたちはうれしくて仕方ないといった表情で,すぐに竹馬に挑戦します。けれども,竹馬はそんなに簡単に乗れるものではありません。しばらくすると,「こんなはずではなかった。」「これは,ぼくには無理かもしれない…。」と,竹馬から遠ざかってしまう子どももいます。けれども,クラスの誰かがちょっとこつをつかんだり,一歩,二歩歩けるようになったりすると,再び竹馬への挑戦に火が着きます。「何だかわたしにもできるかもしれない。」「もう少しがんばろうかな…」と。そして,ほんの少しでも何か手応えを感じたり,周りから応援されたり,褒められたりすると,竹馬への挑戦にますます夢中になっていくのです。 でも,そんな時です。いやなモノが現れます。「マメ」です。竹と足の指が何度も何度も擦れたからです。子どもたちが先生に痛みを訴えると,先生はその「マメ」を診て,痛々しさや子どものがんばりに共感しながら,「『がんばりマメ』ができたね。」と声をかけるのです。これは,ただの「マメ」でも「外傷性水疱」でもありません。一生懸命がんばった子どもたちにできる「がんばりマメ」なのですから。「がんばりマメ」ができるほどになれば,そして,その痛さに負けない強い気持ちがもてるようになれば,「竹馬名人」はもうすぐそこです。 「がんばりマメ」は,子どもたちに寄り添う魔法の言葉なのです。 もちろん,マメができたら清潔に。手当ても大事です。 |
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