学校日記

【校長室から】新年度のご挨拶

公開日
2026/04/01
更新日
2026/03/31

校長室から

校長の船越康平です。

新年度を迎えるに際し、ご挨拶と決意をお伝えさせていただきます。


「自立する18歳の育成」を目標とする堀川高校が大切にしてきたのは、どのような状況にあっても粘り強く前に進む姿勢です。困難に直面したとき、安易に回避するのではなく、立ち止まり、考え、試行錯誤を重ねながら歩みを進めてきました。


百年以上の歴史を有する本校では、四条堀川のこの地において、若者たちが出逢い、学び、そして喜びや悲しみ、哀切や快哉など、様々な感情を分かち合ってきました。その背景に、多くの人々の支えがあることを、私たちは決して忘れることはありません。地域の方々、保護者の皆さまをはじめ、学校を取り巻く多くの関係者、京都市教育委員会事務局、その他数え上げることができない多くの人々や関係機関の皆さまに支えられ、歴史が積み重ねられてきました。校舎に刻まれた時間は、単なる過去の蓄積ではありません。生徒、教職員一人ひとりの経験が折り重なり、今を生きる私たちへと確かにつながっています。


高校生は無限の可能性を秘めています。言葉だけ、レトリックだけでなく、心の底からそう考えています。実際に、多くの高校生との出逢いの中で、そのことを強烈に感じさせられる、数え切れないほどの場面に遭遇してきました。各自が無限の可能性の花を開かせ、咲き誇る人生を送っていくために、どうしていくか。転ばぬ先の杖をつくのではなく、時に転倒したとしても、痛みを知り、そこから自らの力で立ち上がる経験を積むこと。高校でそのような時間を大切にしていくこと。様々な経験こそが、人を強くすると信じています。生徒自身が、「本当の意味での自立」へと向かう歩みを尊重し続けていきたい。


人は一人では生きていけません。一人で困難に立ち向かうことと、人のつながりを重んじることを両立する。人と人との関係性は、一方通行では築かれません。互いの想いに耳を傾け、言葉を交わし、違いを認め合う対話の積み重ねによって、関係性は初めて確かなものとなります。対話は時に時間がかかるため、容易ではありません。しかし、その過程を安易に省略せず、「力」に頼らず、誠実に向き合うことが、信頼と協働の基盤を形づくると考えています。


歴史の重みを誇りとしつつも、過去に安住・拘泥することなく、常に次の一歩を模索していくこと。過ぎ去った時間をリスペクトしつつも、新たな挑戦に臆することなく向かう姿勢や構えこそが、何より大切であると考えます。必要なことは、答え合わせでない。誰かから評価されることを目的にするのではなく、「こうありたい」「世のため人のために、かくあろう」という構えを大切にしていきたい。


広い世界に目を向ければ、国際情勢は混迷を極めています。価値観は揺らぎ、「正解」に収斂されるとは限らない時代です。求められるのは、当事者として考え抜き、行動する力です。当事者は評論家ではありません。安全地帯から批評するのではなく、現実の只中に身を置き、行動し、責任を持つ。自分の頭で考え、周囲と対話を重ね、よりよい方向を探り続ける。堀川高校を、そういう実践の場にしていきたいと思います。


学校は、この社会の縮図でもあります。この地で培われた経験や関係性は、やがて広大な世界へとつながっていきます。本校はこれからも、人と人との結びつきを礎に、粘り強く歩みを進めてまいります。


新たな年度に、私たち全員が当事者としてチャレンジし続けます。



令和8年4月1日

校長 船越 康平