学校日記

第57回 卒業証書授与式 御礼(3月13日)

公開日
2026/03/13
更新日
2026/03/13

校長室より

 多くの皆様方のご理解とご支援を賜り、第57回卒業証書授与式を挙行することができました。厚く御礼申し上げます。
 拙文ですが、式辞を掲載いたします。

 式 辞
 ようやく厳しい寒さも緩み、春の訪れを感じる今日の良き日に、多数のご来賓の皆様ならびに保護者の皆様のご臨席を賜り、第57回卒業証書授与式をこのように挙行できますこと、心から感謝し、厚く御礼申し上げます。

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 3年前、真新しい標準服に身を包み、これから始まる中学校生活に期待と不安を抱きながら、本校の門をくぐった入学式から、早いもので三年の月日が過ぎ、今日、卒業式を迎えることになりました。

 1年生では、5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に引き下げられ、コロナ前の生活に戻すのが良いのかどうかを考え模索した一年でした。2年生では、アフターコロナとして、新たな形での学校生活や学校行事を行った一年でした。3年生では、昨年に生み出した新たな形を持続可能な取組にするため、変化を恐れず果敢に挑戦し、これからの道筋を示してくれた一年でした。

 四半世紀を迎えた「第25回嵯峨中パレード」。今年のスローガンは「未来へと たゆまず続け 嵯峨の地で 我らの番だ さあ咲き誇れ」でした。昨年度にパレードの形を見直し、今年度はさらに変更と修正を加え、今の時代に照らし合わせた形へと変えてスローガンに掲げているように持続可能な取組となるようにいたしました。

 昨年度から生まれた英語隊は、さらに進化を遂げ、英語の授業での学びだけでなく、地域で学んだことを自分の言葉にし、それを英語をつかって、外国からのたくさんの観光客に直にアピールしてコミュニケーションを図っていました。この取組は授業の中や校内発表会では経験できないものであり、これからの活動の大きな柱の一つになっていくものだと思います。

 また、校区3小学校でそれぞれ培った地域学習をさらに積み上げ、結びつけていけるようにしました。2年生で行った嵐山フィールドワークでは、地元商店街や嵐山保勝会、大学の先生から嵐山のすばらしい景観の魅力と国有林である嵐山の治山活動について教えていただき、故郷を守り続けていくため、自分たちに何ができるのかと考えることができました。そして、四年前から始まった約750年前に山桜が咲き誇っていた嵐山の姿を取り戻そうする「昔を今に~嵐山千本桜プロジェクト」に賛同し、自分たちが行う嵯峨中パレードのアピール活動のとして募金を呼びかけ、十五万円ものお金を集めて嵐山千本桜プロジェクトへ寄付することができました。来週には吉野から嵐山に提供された白山桜の苗木が校内にも植樹され、私たちの身近でその成長を見守れるようになります。ぜひ嵯峨中に来た時には皆さんにも見てほしいと思います。

 嵯峨中パレードは単なるお祭りではなく、地域学習で学んできた嵯峨嵐山の素晴らしい魅力について地域で取り組まれている観光振興や環境保全の学習へと深め、探究してきたことを発表する取組です。三年生を中心とする嵯峨中生が、練習を積み重ねて、様々なパートに分かれた本気のパフォーマンスを披露し、笑顔いっぱいで校区をパレードすることで、地域や保護者、観光客の皆様の心に訴えかけ、大きな拍手で応援していただきました。他校では絶対に真似することができない唯一無二の取組です。

 皆さんが活躍する時代は、未来予想が困難な時代(VUCAの時代)だと言われています。現在の世界情勢は混迷しています。自国の思惑を突き通すために武力や経済制裁などを用いて、他国を苦しめています。一方では、生成AIなどの科学技術は日々進化しています。

 これまでの「正解主義」では、一つの正解のみを導き出す力、例えるならばジグソーパズルで一つの絵を完成させる力だけでは太刀打ちできない時代が来ています。今、求められている力は、それぞれ一人一人が「最適解」や「最善策」を考え生み出していく力、例えるならばレゴブロックで自由な発想で形を作り、その中から柔軟な思考により、より良いものを創り出していく力が必要です。

 そのためには本校の学校教育目標に掲げている「社会人基礎力」の3つの力が必要であると考えています。1つ目は「前に踏み出す力」。自分から進んで物事に取り組み、さらに失敗しても粘り強く取り組み続けられる力です。2つ目は「考え抜く力」。わからないことや見つけた課題に対して、解決までの道筋を考え、最善の策や複数の解決策を見出す力です。3つ目は「チームで働く力」。自分の意見をしっかりと相手に伝え、立場や意見の違う人を尊重した上で、目標に向かってともに協力して解決していく力です。

 そしてもう一つ、大事な心構えがあります。それは「誠実に頑張れる姿勢や気持ち」です。社会がどのように変化しようとも、一生懸命に頑張っている姿は人の心を打ち、不易な価値があると私は考えています。

 保護者の皆様にお祝い申し上げます。お子達のご卒業、誠におめでとうございます。3年間にわたり、かけがえのないお子達をお預かりし、健やかな成長のため、教職員一同、懸命に努力をしてまいりました。時には不十分さを感じられたこともあったかと存じますが、本校教育に対しまして、深いご理解とお力添えを賜りましたことに、心より御礼申し上げます。

 ご来賓の皆様方に一言、御礼申し上げます。本日は、公私ご多用の中、本校卒業式にご臨席賜り、誠にありがとうございます。嵯峨中学校では、これからも「地域とともにある学校づくり」を学校経営方針に掲げ、地域を担う人材を育成していきたいと考えております。今後とも本校教育推進のため、より一層のご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 先日の3年生の送る会での発表で後輩たちに堂々と自分たちの夢を語る代表生徒の言葉や姿、映像の中で一人一人が自分の夢ややりたいことをはっきりと示している姿は、とても頼もしく感じることができました。幸せな人生は夢を持つところから始まります。できないからと最初からあきらめてしまうのではなく、どうすればできるのかと粘り強く考えて、自分の夢や希望に向けて、懸命に追い求めていってほしいと思います。嵯峨中学校での学びを礎に、それぞれの未来を力強く切り拓かれることを確信いたしまして、粗辞ではございますが、私の式辞といたします。

 令和8年3月13日

 京都市立嵯峨中学校
 校長 山崎 直人