学校日記

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catch the top !〜

公開日
2020/04/24
更新日
2020/04/24

校長室から

「つながり—生徒編」
 教師という職業の一番の特徴は,人と関わること,人を育てることです。人と関わるだけならば,営業や接客,販売など他の職業でもありますが,人にものを教え,心身を育むところまで行う仕事はそうはありません。人を育てるのですから責任は重大です。人が相手ですから悩むことも多いですがやりがいも大きいです。そして,その過程や結果として“つながり”が多くできます。今回は,今でもつながっている教え子との関係を幾つか紹介します。
 前回のエッセイで,小学校に40日ほど勤めていたことに触れました。当時私は確か4年生の担任だったのですが,今でもつながっているのは当時6年生だった女の子です。大学も卒業していないピチピチの若い先生だから,結構多くの6年生の女子と話をしました。でも,彼女はそういう中にいるタイプではなかったです。大人しく何事にも控えめで,でもしっかりとした上級生でした。私が中学校の教師を始めてからも何度か手紙をもらいました。(当時は,生徒に住所を教えることは珍しくありませんでした)やがて,年賀状のやり取りだけになりましたが,高校や大学に入学したとき,結婚したとき,母親になったときなど,写真入りの年賀状をもらってそのことを知りました。今はもう大人へと育った子どもさんのお母さんです。
 初めて担任をした学年の生徒で,今も年賀状のやり取りが続いている人は男女合わせて5人になってしまいました。このうちの女子2人については結婚式にも出席しました。一人は生徒会役員を務め,新人教師である私に生徒との関わり方を指南もしてくれました。もう一人は,どちらかというと立場の弱い子たちのグループに居ました。私はよくヤンチャな男子からのいじめに対する相談に乗ったり,いじめる彼らを厳しく指導したりしました。そんな子です。2人の美しく成長した花嫁姿を見たときには教師としての大きな喜びを感じたものです。前回,自分が小学生の頃の先生に影響を受けたと書きました。出会いでいえばもう30年以上前のことですが,この子たちが,私から何らかの影響を受けてくれていたら嬉しいです。
 先日,新型コロナウイルスの感染について職員室で話していました。この戦いが阪神淡路大震災や東日本大震災と最も大きく異なるのは,「人との関係を切る必要があること」だと聞かされて納得するとともに大きな衝撃を受けました。東日本大震災の時には「絆」という言葉が流行したりもしましたが,今回は「人との接触を8割避ける」と言われています。今の難局を乗り越えるためにはこのことは極めて大事ですし,これから始まるGWでは何としても実行しなければなりません。
 しかし,信じています。たとえ,一時的に離れなければならなかったとしても,私たちが教育を通じて作り上げたつながりはそう簡単に切れるものではありません。いえ,そうした「絆」があるからこそ,それを信じ,安心して接触が避けられるのです。
※写真は昨年度のものです。