学校日記

『“てっぺん”獲りにいこうや!』〜Catcn the top !〜

公開日
2019/07/12
更新日
2019/07/12

校長室から

「いのちの尊さ」
 7月5日午後4時50分頃、埼玉県所沢市で男子中学生が刺されたとの緊急通報がありました。救急隊員が駆けつけると、中学2年生の男子が上半身を複数回刺されて意識不明の状態で倒れていたといいます。現場の前の家に住む中学生に事情を訊いたところ、当初は「彼は自殺した」と答えたといいます。その後、警察が詳しく話を訊くに至って、その少年は「教科書のことでケンカになり自分が刺した。」と語ったそうです。
 報道を聞き、内容を詳しく知ろうとスマホのインターネットを検索したところ、既に様々な意見が書きこまれているのに驚きました。多かったのはイジメがあったのではないか、というものです。いじめられていた生徒が思い余っていじめっ子を刺したのではないかと想像するものです。中には、「自殺するよりは相手を殺した方がマシ」などとコメントされているものもあり、細かなことが分かっていない段階で、よくこんなことが書けるものだと憤りを感じました。
 更に、事件現場の住所からその子たちが通っている(た)であろう中学校の名前が示され、ご丁寧に学校の写真までアップされていました。当然、その生徒たちの通う中学校はある訳で、殺人の加害者と被害者とが在籍するのですから、今もその学校の先生方は様々な対応に追われて大変だと思います。また、両者の担任の先生の気持ちはいかばかりでしょう。マスコミの関係者やインターネットの書き込み大好き人間の皆さんには、どうかそっとしておいてあげてほしいと思います。
 事件から一週間が経ちますが、まだ原因など詳しいことは報道されていません。でも、これだけは言えることがあります。どんな事情があろうと、そして、そこに殺意があろうとなかろうと、刃物で人を刺すなんて行為を絶対にしてはいけません。
 「殺したいほど憎い!」そんな言葉は、私が子どもの頃にもありました。でも、少年が実際に他人を殺すといった行為に至った例はなかったと思います。また当時は、友達同士のいざこざや喧嘩の数が今よりずっと多かったのではないかと思います。イジメもよく見かけもしましたし、その中に加害者と被害者との両方の立場で居たこともあります。それでも、人を刺す・殺すということは大きな大きな“一線”だったように思うのです。中学生を含む少年がこの“一線”を越えたのはいつ頃でしょうか。
 思い当たるのが1997年に神戸市須磨区で起こった“酒鬼薔薇聖人”と名乗った中学2年生が起こした連続殺傷事件と、翌年の栃木県黒磯市で起こった指導に不満をもった中学1年生が先生を刺し殺した事件です。この頃“キレる”という言葉が生まれました。キャラクターが死ぬ(を殺す)ゲームが急速に発達してきたのもこの頃です。
 「生きる」ということ、「育つ」ということ、「いのちの尊さ」について、私たちは、この機会にじっくりと考え直さなければなりません。