FOUNTAIN NO.16
- 公開日
- 2011/06/30
- 更新日
- 2011/06/30
校長室から
H23.7
京都市立桂坂小学校 山本 泉
前回までに,現代社会の中で起こっている子どもを取り巻く気になる状況について書かせていただきました。今回からは,こういった現状を踏まえ,学校としてどうしていくべきか,ご家庭ではどういうことが望まれるのかということについて書いてみたいと思います。
(1) 授業を通してコミュニケーション力をつける
この桂坂学区は,生活水準に比例して平均的にご家庭の教育力が高く,多くのご家庭が確固たる教育方針を持っておられると感じています。しかし、そういった地域はそれぞれの家庭の独立性が強くなるため,生活水準の低い地域と比べると必然的に人間関係が希薄になりがちです。このような背景からも,本校の子ども達はコミュニケーション力に弱さがあると考えています。
そこで,学校としては授業の中で「伝え合う力」を養うことに力を注いでいます。
例えば,1時間の授業のどこかの場面に交流(話し合い活動)を設定した授業形態を多く取り入れるようにしています。もし,手を挙げなければ,しゃべる機会がないまま1時間が過ぎてしまうというのではなく,グループ交流などの場面を設けることで,必然的に自分のおもいや考えを話せるようになります。
人に自分のおもいや考えが伝わるようにしようと思ったら,頭の中でしっかりと整理をしなければなりません。そして,言語化するステップを通して考えが深まり,しっかりとした意見として頭の中に定着します。また,友達の意見を聞くことで知識や考え方が広がります。先生とのマンツーマン的な学習や自学自習も大事なことではありますが,さらにもう一歩学力を伸ばそうと思ったら,こういった交流活動などの集団学習も有効であると考えています。
また,こういった学習活動を通してコミュニケーション力を高めることは,社会性の向上にもつながるだろうと思っています。
(2) 地域と歩み,地域とともにつくる学校づくり
地域に開かれた学校づくりということがよく言われます。どのようなことかといいますと,地域と学校が一緒になって,学校づくりをしていこう,ということです。
今,学校ではどのようなことをしているのか。どんな教育方針で,どのような子どもを育てようとしているのか。そのために,学校はどのような取組をしているのか。そういったことを保護者や地域の方々に伝えていくようにしています。
例えば,このホームページもその一つの手段です。また,地域諸団体の集まりなどで学校のことをお伝えしたり,「学校だより」を保護者の方だけでなく,地域へ回覧板として回していただいたりすることもあります。そういったことを通して,小学校では今こんなことをしている,と言うことをお知らせします。
また,学校の取組に対して,いろいろとご意見をいただき学校運営について一緒に考えていただく学校運営協議会というものがあり,本校でも実施しています。今年度も,すでに動き出しています。
学校をよくするために,また,子どもが楽しく通う学校づくりをするために,今後もご協力いただこうと思っています。
(3) すべての大人が子どもたちとどう関わるのか
少子化・高齢化が進んできています。
一世帯の子どもの数ですが,・全国1.3人 ,京都市 1.16人
高齢者の数は,・全国 65歳以上 18.5% (20年前 9.2%)
京都市 19.3%
また,FOUNTAIN No.14でも書いたように,地域の人と人とのつながりが希薄になってきたとよく言われます。これからは,地域の縦のつながりをどう強めていくかが大事になってきます。そういった中,新しい教育では,学校と地域とのつながりが強くしていこうという方向があります。
これは一般的な話ですが,地域での子ども,大人,年配者の様子を見ていると,子どもは子ども,大人は大人,老人は老人と,それぞれの活動する層が横で切られていることが多いように思います。子どもは子ども同士の横のつながり,大人は大人同士の横のつながり,年配者は年配者の同士の横のつながりで生活されていて縦のつながりが弱く,子ども,大人,年配者が一緒に活動する機会があまりないと思います。
桂坂学区においても,次世代を担っていく子ども達を育てることは大事なことです。子ども,大人,年配者が1つになり,地域全体が1つになる,そのために,一緒になって一つのことに取組むことが大事だと思います。
例えば,本校は他の学校と比べてPTA活動が盛んで,大変充実しています。役員になった方は大変だと思いますが,子どもと大人が触れ合う機会が保障されているというのは,子どもの成育環境として大事なことです。子どもは身近な大人の姿をお手本として成長します。学校・保護者・地域が連携を深め,私たち自身が子どもが目指すべき大人の姿を示していけたらと考えています。
(以下,次号に続きます。)