学校日記

FOUNTAIN(校長室だより)No.10

公開日
2011/01/06
更新日
2011/01/06

校長室から

京都市立桂坂小学校  山本 泉
 
  明けましておめでとうございます。
 今年も,桂坂小学校の子ども達のために,教職員が一丸となって取り組んでいく所存です。
 保護者の皆様,地域の皆様には温かいご支援を賜りますようお願いいたします。

 さて前回の[FOUNTAIN]で描き始めました「子育てと体育」についての続きです。子どもの運動能力の向上について話を進めましょう。
昔から「努力に勝る天才なし。」などとよく言われます。一生懸命努力すれば,やがて天賦の才能を持った人をも凌駕するという意味ですが,これが口で言うほど容易ではありません。前回の「校長室だより」で,努力を積み重ねて,できなかったことができるようになることも「学習」の一つであり,このことは運動能力についても同じであると述べました。
ところが,この「努力」という言葉は「苦しい・辛い・しんどい」というイメージがあり,そのことが私たちの敬遠する最も大きな理由になります。しかし,本来「体育」というものはむしろ「苦しい」ではなく「楽しい」イメージのものでなくてはなりません。言い換えれば,この「楽しい」営みを通じてこそ子どもの身体能力を高めることができるということです。
それでは,具体的に何をすればよいのでしょうか?答えは簡単です。まずは遊ぶことです。子どもにとって勉強より何より,体を動かして遊ぶことが大切なのです。私たちが子どもの頃を思い出してみてください。毎日,学校から帰ったら,カバンを放ったらかして遊びに行きませんでしたか?
遊びを通して思いっきり体を動かし,頭を使って遊びが楽しくなる工夫をする。この繰り返しで,子どもは頭も体も成長していくものです。え!あなたは子どもの頃から,家に帰ってもずっと勉強ばかりしていたんですか?… だから,そんなふうになってしまったんです。(失礼)
冗談はさておき,発達年齢に応じた遊びこそ,運動能力の向上につながるものです。また,遊びもスポーツもすべて競争が基本です。この競争を直視することは,子どもの時代にも必要なものです。何故なら,競争に勝つことが「努力する」ためのモチベーションを高めることのひとつには違いないからです。
ただし,教科としての「体育」では,「他の子より足が遅い」とか「友達は泳げるのにウチの子は」などと,他人と比較するような競争は基本的にはしません。1ヶ月前,半年前,1年前と比較して,つまり「自分と競争」して「速くなった」「泳げるようになった」「できるようになった」というように,子ども自身の運動能力の改善を自覚すること,そしてそのことを周りの人間が高く評価することこそが大切なこととされています。
さて,遊びも,昔と今とでは随分変わってきました。コンピューターゲームなどに興じ,外へ出て体を動かす遊びをすることが少なくなってきています。(コンピューターゲームも頭を使うものですから,全面的に否定するものではありませんが…。)環境の変化により,子ども達の遊ぶ場所がなくなってきているのも事実でしょう。
従って,子どもの運動能力を高めるために,月謝を払っても体育の家庭教師を付けるということも,決して間違ったことではないと思います。しかし,できることなら,まずは親が子どもと一緒に遊ぶことを通して,子どもの運動能力を引き出してやることが望ましいと思います。(自分はできていなかったと反省していますが…。)
当然,子ども同士がやるような遊びを,親子でやろうということではありません。目的は,子どもの運動能力を高めることですから,遊びの内容も自ずとスポーツに関連したことになります。○○歳の子だとどんなスポーツ関連の遊びがいいのか?などと難しく考える必要はありません。遊びの感覚でスポーツを楽しむこと,スポーツ感覚で遊びを楽しむことが,運動能力を高めることになるのですから…。
何よりも,親子でやってみて一緒に楽しめることが大事です。そんな遊びを,そんなスポーツを探してみてはいかがでしょうか。楽しいから続けられるし,続けていれば上手くなる,上手くなってうれしければ苦しい練習すら苦にならない。遊びで始めたことがいつのまにかスポーツにつながっていた…。こうした好循環をつくることです。親が子どもと一緒に遊ぶ感覚で体を動かし,運動として,スポーツとして自分自身が楽しむ。その姿を「言葉ではなく自らの姿勢で子どもに伝える」ことが子どもの運動能力の向上につながっていくと思います。