校長の窓46(卒業証書授与式)
- 公開日
- 2025/03/21
- 更新日
- 2025/03/21
校長室から
まだ、寒さが残る朝となりましたが、第43回目の卒業証書授与式を予定通り開催することができました。あまり体調のすぐれない子どももいましたが、それぞれしっかりと自分の思いをもって、とても立派な式にしてくれました。卒業生の姿に、保護者の方々のご支援、様々なところでサポートした教職員、在校生代表として参加してくれた5年生の姿、すべてが絡まっていい式になったと思っています。川岡東の「HERO」として、立派に創り上げた卒業式にしてくれました。ここまでありがとうございました。PTAの方々にもたいへんお世話になりました。ありがとうございました。
式辞より
『・・・・(略) みなさんが入学し、小学校生活の流れがわかり、そろそろ次は二年生。一年の振り返りをして、次の学年への希望を抱こうとしていたとき、新型コロナウイルスで学校が閉鎖。二年生のスタートは六月から、この先どうなるのか、戸惑いや不安、窮屈な思いをいっぱい感じたのではなかったでしょうか。また、人との接触はさけろ、マスクや手指の消毒を忘れるな、そして、自由に動き回ることも制限されました。少し熱が出たら、コロナではないかとびくびくしたり、机を合わせることも、手をつないで遊んだりすることも、みんなで転げまわったりすることも制限され、仲間と一緒に楽しく活動することがなかなかできませんでした。
そんな経験を低学年から中学年でする中で、仲間をよりよく知ること、仲間と共に汗を流すこと、上級生と触れ合って、上級生の姿から学ぶことも十分できませんでした。特に、行動の仕方については、多くの制限が伴い、その中でもがきながら、生活をされたことでしょう。窮屈な中でも、楽しみを見出しながら、よくしんぼうし頑張った時間だったと思います。
わたしと皆さんとのかかわりは、四年間でした。三年生の時からこの学び舎で一緒に過ごさせていただきました。みなさんのイメージは、まじめに、与えられたことをしっかりと取り組んでいこうとする姿です。いわゆる先生、大人の言うことをしっかりと聞き、それを忠実に行って、そして、よりよい評価をしてもらう。あまりはめをはずすことがない、言われることにしっかりと答えようとするそんなイメージでした。決められたことに責任をもって取り組んでいく姿がありましたが、仲間とつながりあって取り組むことや取組に対する熱い思いを感じることが少なく、学校の中心として活躍できるのか、正直、私は少し不安な思いを抱いていました。
五年生の学年目標を覚えていますか?「ONE UP」でしたね。一つ成長して次のステップへ、そんな願いがこもっているのであろうと思っていました。当時の先生からは、自分から考え行動することや自分でしっかりと判断することを伝えられたかと思います。そこに、不安や戸惑いがあったのかもしれません。自ら判断して行動することは勇気がいります。だから、余計に不安や戸惑いが増えていったのかもしれませんね。
しかし、その中でも、高学年としての自覚を高めながら、六年生の姿を一つの手本としながら成長する姿がありました。山の家での宿泊学習では、仲間のありがたみを感じた人も多かったと思います。「仲間がいるからできることということ気づけた」という声があったり、「仲間の応援でやり抜くことができた」という声もありました。仲間と考え行動する機会が増え、仲間力を感じた人も多かったと思います。失敗もありましたが、その失敗から新たな挑戦が生まれ、達成感につながったと思います。
そして、六年生。学年目標は「HERO」川岡東のヒーローとなって卒業していくことをめざして過ごした一年間でした。どうでしたか? 川岡東小学校のヒーローになれたといえますか。
六年生となり、多くの場面でみなさんの姿を拝見させていただきました。修学旅行、運動会、学習発表会、にこにこタイム、児童会活動、与えられた内容を確実にこなしていく、という姿を大切にしつつも、六年生となり、徐々に思考判断して行動する姿、よりよいものにしようと創造する姿が見られるようになり、頼もしくもたくましくも思えるようになりました。学年目標の「HERO」その一人となれるように自覚をもって取り組める仲間が増えてきたことで、仲間同士のつながりも深まっていったようにも感じました。
自分を一つも、二つもアップさせるためには、挑戦しないといけません。やってみないと次の段階には上がれません。しかし、挑戦することには不安はつきものです。そして、失敗することもあります。しかし、その不安や失敗を何度も経験をして、それでも自分の目的や夢に向かって挑戦し続けることで、人は成長していくのだと思います。
不安になるとどこか正解をもとめたくなります。しかし、これからの世の中で、正解ってあるのでしょうか?これが正解って言えるものがあるのでしょうか。
コロナのような感染症の拡大、想像を超える力の自然災害、物価の高騰、世界での紛争、AIの進歩による加速度的に変化する社会構造。変容する社会の中で、だれがこの先のことを見出して、よりよく生きる道をつくってくれるのでしょうか。
これからの未来に羽ばたいていこうとするみなさん。先行き不透明な時代といわれる社会で、その社会を創ってくのはみなさんです。正解は自分で探し求めていかなければなりません。
そのとき、人は不安になります。自分の思いや考え、行動に自信が持てなくなります。時には、よくない考えの勢力に、負けてしまうことがあります。
この夏、沖縄にジャングリアといった自然を生かしたテーマパークが開園します。知っていますか?UFJってしってますよね。そのUFJを人が集まるように工夫し考えた人が、沖縄のテーマパークを計画されました。その方が森岡毅という方ですが、その方が、
「不安を抱いて人は初めて成長する」
「最も大切なことは目的の方向に向かって絶えず成長を続けること」
「成長を続ける限り、不安はつきものだ」
「失敗をしない人生そのものが、最悪の大失敗ではないか」
といわれていることを聞きました。
挑戦するから失敗がある、でも、その失敗が次の成長につながる。新しいことには不安はつきものである。その不安を払拭するには、なにもしないこと。しかし、そうなると、成長もしなくなる。
人生、不安でいっぱいです。それは、大人も一緒です。先がわからないから。しかし、人は成長し、豊かにすることができます。挑戦することで、うまくいったときの喜びや達成感を味わい、自分の自信となります。そして、自分をますます高め、よりよい人生につながります。
人生のヒーローをめざして、不安を持ちながら、挑戦し続けてください。
そして、学校教育目標の「仲間とともによりよい社会を創り出す」そんな人に育っていってくれることを期待しています。
(・・・略・・・)
では、卒業生のみなさん。もう少し話させてください。
みなさんは、「川岡東のヒーロー」です。それには、みなさんの中にある、仲間を思いやるこころが現れるようになったからだと思っています。ヒーローは人に愛されます。多くの仲間に愛されます。また、ヒーローも仲間を愛します。仲間を思いやるその心が、ヒーローの礎になるのでしょう。森岡毅さんがこんなことも言っておられました。
「仲間があれば、仲間が増えれば、自分の目的の達成に近づけることができる。目的が明確であり、魅力があれば人がつながり、動き出す」と
自分の人生のヒーローに、自分を取り巻く環境のヒーローに、そして、社会のヒーローとなることを期待しています。
4年間のかかわりへの感謝とともに、仲間力とともに、人が変わり成長することのすばらしさを教えてくれた卒業生に感謝です。
校長 岡本 雅文