学校日記

セミの鳴き声を聞いて

公開日
2011/07/15
更新日
2011/07/15

校長室から

 校長室で執務をしていて、春日神社の森からセミの鳴き声が聞こえてきていることに、ふと気がついた。鳴き声からすると、どうやらクマゼミのようだ。そういえば、私が子どもの頃の40年ばかり前は、セミと言えばアブラゼミという、全体が茶色をしたセミであった。羽もやや茶褐色で、その名の通り、あまり魅力的な感じではなかった。一方、アブラゼミより一回り大きく、体全体が黒っぽく、羽が透明なクマゼミは、滅多に見られない貴重なセミだった。子ども心に、クマゼミを見つけたときは、思わず友達に伝えたくなるような、鼻高々な感じがあった。ところが、最近では、どちらかというとクマゼミが主流のようだ。温かいところを好むクマゼミが多くなったということから、「地球温暖化説」もあるそうだが、植樹の際に根に幼虫がついていたためという「樹木移植説」や、天敵からの逃げ方の違いを原因とする「野鳥補食説」などがあり、はっきりとした原因がつかめていないようである。また、このクマゼミの方が多くなったということ自身も反証があり、良く分かっていない。
 セミは、枯れ木に卵を産みつける。セミの種類によってもいろいろだが、その年の秋に孵化(ふか)して幼虫になるものもある。多くは翌年の梅雨のころに孵化して幼虫になるものが多いようだ。孵化すると、ご存じのように枯れ木の表面で一度脱皮し、長い地中生活に入る。地中でも数回脱皮し、3年〜17年も幼虫として地中ですごす。成虫になるときには、晴れた日の夕方に地中から出てきて、木に登り、日没後に羽化(うか)を始めるのが一般的なようだ。この時間帯にするのも、羽化の最中は無防備で、天敵に襲われやすいためだという。
 セミの成虫は、1週間しか生きられないというのはどうやら俗説のようだ。捕まえてもすぐに死んでしまうことからそのように言われるようになったのだとされる。自然界では、実際は、一か月ぐらい生きているようだ。セミは短命の象徴のように言われることがあるが、昆虫の中では、とんでもなく長寿な方なのだ。
 夏休みの自由研究で、「セミの研究」というのは定番だ。自由研究については、親子であれこれ悩んだり、一緒に汗かいて作ったりというのも、夏休みならではの親子コミュニケーションの機会と考えてみてはどうだろうか。私も、今では懐かしい思い出となっている。