テイカカズラの知恵
- 公開日
- 2012/12/14
- 更新日
- 2012/12/14
中川校の自然
冬になり,テイカカズラの種が見られるようになってきました。種をよく見るとタンポポのように綿をしっかりと広げたような冠毛をつけています。まさに,風の力を借りて種を遠くへ飛ばそうとしています。ただ,タンポポと違って種が大きく重たいので,遠くへ飛ばすためには強い風を利用する必要があります。もう一つ,テイカカズラの種が着実に地面に辿り着くためには,背丈の高い草花が覆い茂っている時期をはずす必要があります。両方の条件を満たす時期は?というと冬が最適となります。おそらく,テイカカズラは繁殖の作戦として,冬の風を利用することを選んだのではないでしょうか。
また,上の写真左の実(鞘)をよく見てみると,縦に裂けていますが,裂けた方を外に湾曲していたり,ゆるやかにねじれていたりしていることがお分かりいただけると思います。以前,秋(9月11日付)に若い実をホームページ上にアップしましたが,今回の上の写真右を見ていただくと同じように実の中にしっかりと仕舞われています。種が熟して茶色くなり,乾いた冠毛が窮屈そうに真っ直ぐ延びています。この状態ですと,冠毛も真っ直ぐの状態で仕舞われていますので,下の写真のように開いてくれません。
そこで,冠毛を広げさせる一工夫が必要になります。つまり,窮屈そうに仕舞われている冠毛が外に開きやすいようにしてやればよいのです。それが,外湾やねじれという方法なのです。こうすることで,狭く押し込められていた冠毛が,実の外に顔を出し,自らの力で,さっと冠毛を広げることができるようになるのです。もちろん実の変形は天気の良い晴れたときにということになります。冠毛が開いても風がなければ飛んでいけません。そのまま落ちてしまうのでは…。それが不思議なことに,余り落ちないようです。何処かしら実に引っかかっているのです。上の写真左に冠毛を広げて引っかかっている種を見て下さい。こうして引っかかりながら風を待っているのです。ついでに,この冠毛もすごい工夫があって,1本1本,中が空になっています。パイプ状にすることで軽く丈夫なものとなっています。素晴らしいアイデアだと思いませんか。
私達人間からすると,そのような仕組みになっているのかと,あたかも機械同様に物として扱ってしまいがちですが,是非とも知恵のある考える生き物として捉えてみて下さい。テイカカズラもすごく賢く生きているんだという実感を持っていただければ幸いです。