学校日記

目立つのには意味がある

公開日
2012/11/16
更新日
2012/11/15

中川校の自然

 上の写真は,本校体育館東に実を付けているマユミ(シロミノマユミ)です。校区に真弓地区があるので,植樹されています。マユミは,材質が強くよくしなることから,弓の材料として用いられてきました。漢字で真弓と書くのもこのことによります。
 では,本校区の真弓の地名の由来は何でしょう。その昔,坂上田村麻呂が雲ヶ畑から持越峠を通ってこの地に入って弓を作ったことによると言い伝えられているそうです。では,真弓地区は古来よりマユミの木が有名だったのでしょうかね。そこはよく分かりません。ただ,天皇の行幸として雲ヶ畑−真弓−小野郷−京北というコースはあったようですし,後の悲運の皇子,惟喬親王もこの辺りで隠居生活を送ったほどですから,古来より知られていた地であることは間違いないようです。
 話を木に戻しまして,通常,マユミの実といえば,10月半ば辺りから外を覆っている薄紅色の朔果が四裂して下の写真のように種子が顔を出します。花期は初夏ですが,小さな目立たない花ですので,見過ごしやすいかと思います。種子は赤い外皮に覆われていますが,なかなか落下せず,葉の方が先に落ちてしまいます。これは,マユミの戦略かもしれません。
 多くの実を付ける植物は秋に目立つように赤や青や黒といった実を付けます。食べて下さい,ここに美味しい実がありますよとアピールしているのです。秋は,競争率が高いのです。初冬,マユミの葉が落ち,赤い実が目立つようになります。冬,餌が少なくなった小鳥たちにとっては,うれしいごちそうとなり,啄みに来ます。そうです,マユミは競争率が低くなるのを待っていたのです。食べてもらうことで,確実に,種を遠くに捲いてもらうためにです。なかなか見事だと思いませんか。
 でも,鳥に食べられたら,種も溶けて鳥の栄養にされるのではと思われる方もおられるでしょう。鳥は噛まずに飲み込みます。外皮は溶けてもその中身は固い殻に覆われているので素通りしてしまいます。鳥に実を食べさせる植物は,みんな鳥に種を運ばせる作戦を立てていたのです。こうしてみると,植物もなかなか知恵があることに感心しませんか。
 最後に,薄紅色の朔果をマユミとするなら,写真のような黄白色の朔果をシロミノマユミ,濃紅色の朔果をアカミノマユミとして区別しているようです。ほかに,オオバノマユミやフイリノマユミなど姿形から呼び名が分かれてもいます。