京都市立学校・幼稚園
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Art(豊かな感性・表現力・創造力のある生徒)  Science(論理的に真理を追究し、知性あふれる生徒) Toughness(夢に向かって、支え合い、果敢に挑戦できる自立した生徒)  

言葉と命の重み

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― 言葉と命の重み ―
  大切なものは目には見えない
                             
「これ、なににみえる?」
(※帽子ではありません)

「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ。」
「家でも星でも砂漠でもその美しいところは、目に見えないのさ。」
上記は、「星の王子様」(作アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ)の中の一節です。
校長として1年に一度、全校生徒を前に2時間ほどの授業を行っています。「全校道徳」と称して、12月の人権週間の期間に行っているものです。世界人権宣言をはじめとして、私自身が大切にしている言葉や体験したこと、そして今、実際に社会(世界)で起きていることを中心に授業を組み立てています。今年は、「言葉と命の重み」という主題で、モラル・ジレンマとして、一つの尺度や視点では判断できない心の葛藤をさらに揺り動かす授業を目指しました。“命の重み”や、“人の存在価値”、“正義とは何か”などの、根源的な問いを、わかりやすい題材を通じて行うことを心がけています。しかし、結局は毎年、とても難しい内容になってしまいます。今回も自分で教材を作りながら、自身が悩むことになりました。600枚近い生徒達の感想文を全て読み終えた時にあらためて教育の責任を感じました。こちらの予想以上に深く、重く受け止めている様子に成長を感じると同時に、これからの社会の担い手がまさに、ここに存在しているという実感があります。私がサンテグジュペリの言葉を借りて、「大切なものは目に見えない」と話したことについて、一人だけ次のように述べていました。・・・「校長先生の話を聞いていくうちに、何かを感じたり、想像したり、考える心が、とても大切なのだと思いました。」、「でも、私は一つ、校長先生の話につけたしたいことがあります。本当に大切なものは、目に見えないと言っておられましたが、私は親友や家族、目に見えているけど大切なものもあると思います。」・・・
彼女の感想文を読み終えて、私は、自分の話の拙さを反省するとともに、彼女の友や家族との間に流れる温かい風のようなものを感じました。風もやはり目には見えません。けれどもその暖かさは彼女の言葉を通じて私に届きました。また一つ教えてもらったように思います。  感謝。  来年も心温まることの多き年でありますように・・・。

                             校長 村上 幸一

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