最新更新日:2024/09/26 | |
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桜
始まりだした。
新しい空気が校舎内に流れている。生徒の顔つきや姿勢に、学年が一つ上がることの重みを感じる。教師の声や、生徒を見る目から真剣さが伝わる。環境や状況が変わることへの不安と期待は誰にでもあり、あたりの空気はまだ定まらない。しばらくすれば、それぞれの前に小さな壁もできはじめるだろう。時間は確実に流れ、学舎の生活を一日一日重ね続けた先に、成長が待っている。いくつものハードルを越えながら、たくましくなってくれることを願う。 一月前の「志 花の式(修了式)」で「風雪に耐え、先んじてただ咲く梅の花となれ」と話し、今日は、雨に濡れる遅咲きの桜に、“華美ではなく、その香りは淡く人を飽きさせない”という日本人としての一つの美学を見る。花期は短く、風に舞い散るその姿は、もしかしたら、私たちが1年にただ一度、心同じくして感じる日本の心かもしれない。 教室の窓越しに見える桜の花が優しく生徒を包み込んでいる。 2012.4.11 村上 幸一 |
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