学校日記

Global CitizenshipⅡ~「アプリ設計」第2回:生成AIとの対話を通して、自分のアプリの方向性を言葉にする~

公開日
2026/07/21
更新日
2026/07/21

学校の様子

 こんにちは、GC教育部です♪


 2年生の総合的な探究の時間「Global CitizenshipⅡ」のアプリ開発探究コースでは、前回から「アプリ設計」の単元に取り組んでいます。前回の授業では、前単元「社会と私」で考えてきたことをもとに、自分がどのような不自由さや自由さに関心をもっているのかを振り返り、アプリの方向性を少しずつ言葉にしていきました。


 今回のテーマは、「生成AIとの対話を通して、自分のアプリの方向性を言葉にする」です。


 アプリ設計では、いきなり画面や機能を考えるのではなく、まず「誰の」「どのような不自由さ/自由さ」に向き合うのかを明らかにすることが大切です。そのために今回は、生成AIであるGemini、授業内では「むらこまレッド」と呼んでいる壁打ち相手を活用しながら、自分の考えを深めていきました。


 ただし、生成AIを使う前に、生徒たちは「AIを使いこなすために必要な力」について確認しました。生成AIは、自然できれいな文章を返してくれます。しかし、その文章がいつも正しいとは限りません。また、人間の側も、文章を正確に読めているとは限りません。授業では、主語と述語の関係が変わると意味が大きく変わる文章や、言葉と言葉の関係を正確に読み取る問題を通して、AIの出力をそのまま受け取るのではなく、主語・対象・理由・目的がずれていないかを確認することの大切さを学びました。


 また、生成AIの特徴や注意点についても確認しました。AIは膨大な情報を整理したり、アイデアを出したりすることは得意ですが、もっともらしい間違い(ハルシネーション)を出すことがあります。また、学習データに含まれる偏りが出力に表れるバイアスや、古い情報が残ってしまうカットオフの問題もあります。さらに、個人情報を入力しないこと、著作権や商標権などに気をつけることも大切です。


 ここで確認したのは、AIを使ってはいけないということではありません。むしろ、AIを「正解を教えてくれる先生」としてではなく、「考えを整理するための助手」として使うことが大切だということです。そのうえで、生徒たちは「むらこまレッド」と本格的に壁打ちを行いました。


 対話の中で考えたのは、次のようなことです。自分が関心をもっている不自由さや自由さは何か。それは誰に関係するものなのか。その人はどのような場面で困っているのか。なぜ自分はそのテーマに関心をもっているのか。その人が少し自由になるためには何が必要なのか。アプリによって、その人にどのような変化を起こしたいのか。そして、自分のアプリはプロジェクト型、リサーチ型、クリエイション型のどれに近いのか。


 生徒たちは、前回記入した「社会と私」の振り返りシートを手がかりにしながら、生成AIとの対話を進めていきました。すぐに答えを出すのではなく、問い返されたり、もう少し具体的に考えるよう促されたりする中で、自分の関心を少しずつ掘り下げていきました。


 活動の中では、「AIがすぐに答えをくれると思っていたけれど、自分が何をしたいのかを先に考えないと進まないと感じた」「『誰のためのアプリか』を考えると、作りたいものが少し具体的になった」「便利なアプリではなく、その人が少し自由になるアプリにしたいと思った」といった気づきも見られました。


 また、途中では、試しに簡単なゲームアプリをつくる活動も行いました。ペアの人にどのようなゲームアプリを作ってほしいかをインタビューし、その内容をもとにGeminiで簡単な試作品を作成しました。


 この活動を通して、生徒たちは、生成AIを使えば短時間でアプリの形を作ることができる一方で、自分のイメージ通りのものにするためには、設定や条件を具体的に伝える必要があることに気づいていきました。「思っていたものと少し違った」「もっと細かく伝えないといけない」「対象者や場面を具体的にした方がよい」といった感想もありました。


 つまり、アプリをつくるうえで大切なのは、技術そのものだけではありません。誰が、どのような場面で、何に困っていて、どのような変化を必要としているのかを具体的に考えることです。その具体さが、アプリの機能や画面の設計につながっていきます。


 授業の最後には、むらこまレッドとのやりとりをもとに、「アプリ設計に向けた私の探究の方向性」を500字でまとめました。ただし、ここでも大切にしたのは、AIに文章を“書いてもらう”ことではありません。AIが整理した文章を読み、自分の考えに近い部分や、少し違うと感じる部分を確認しながら、自分の言葉で考えを見つめ直すことです。


 今回の授業は、生成AIを活用しながら、自分のアプリの方向性をより具体的にしていく時間となりました。AIは便利な道具ですが、「私は何を実現したいのか」という思いを代わりにもつことはできません。だからこそ、生徒自身が問いに向き合い、AIと対話しながらも、最後は自分で判断することが大切です。


 次回以降は、今回見えてきた方向性をもとに、誰のためのアプリなのか、その人のどのような不自由さや自由さに向き合うのか、どのような機能や画面が必要なのかをさらに具体化していきます。