Global CitizenshipⅠ~校内巡検 第3回:選んだ「自由の芽」を提案書にする~
- 公開日
- 2026/07/21
- 更新日
- 2026/07/21
学校の様子
こんにちは、GC教育部です♪
1年生の総合的な探究の時間「Global CitizenshipⅠ」では、「校内巡検」の単元に取り組んでいます。
第1回では、紫野高校の中を「自由」という視点で見直し、校内にある不自由さや、もっと自由にできそうな場所を探しました。第2回では、そこで見つけたたくさんの「自由の芽」を、実現可能性と実行意義の両面から整理し、グループで育てていく提案を選びました。また、その提案によって自由になれる具体的な一人を、ペルソナとして考えました。
今回のテーマは、「選んだ『自由の芽』を提案書にする」です。
これまでの活動では、校内を歩きながら気づきを集め、それをグループで整理し、「この提案なら、誰かの自由を広げられるかもしれない」という可能性を見つけてきました。しかし、どれほど大切な気づきであっても、言葉にして伝わらなければ、周囲の人と共有したり、実行につなげたりすることはできません。
そこで今回は、前回選んだ提案とペルソナをもとに、実際に提案書を書き始めました。
提案書とは、「こうなったらいいな」という個人の思いつきを、他の人と共有し、実行につなげるための文章です。ただアイデアを並べるのではなく、紫野高校の中でどのような不自由が起きているのか、その提案によって誰がどのように自由になれるのか、実現するためにはどのような準備や協力が必要なのかを、具体的に整理していきます。
授業では、まず提案書の全体像を確認しました。提案のタイトル、背景や課題、目的やねらい、具体的な提案内容、想定される効果、実施体制、必要な支援や協力、想定される課題と対応策、最後に提案者からのメッセージなど、提案書にはいくつもの項目があります。
一見すると、項目が多くて大変そうに見えます。しかし、それぞれの項目はバラバラに存在しているわけではありません。すべては、前回考えたペルソナ、つまり「この提案によって自由になれる具体的な誰か」とつながっています。
生徒たちはグループ内で役割分担をしながら、提案書を書き進めました。現状や課題を整理する人、提案内容や実施方法を考える人、想定される効果や課題を検討する人など、担当を分けながらも、提案書全体として「本当にこの人を自由にできているか」を何度も確認していきました。
ここで大切にしたのは、作業を早く終わらせることではありません。ペルソナを見失わずに書くことです。
「みんなにとって便利そう」という言葉だけでは、提案の必要性は十分に伝わりません。どの場所で、どのような不自由が起きていて、その結果として誰がどんな思いをしているのか。そして、提案が実現すると、その人の学校生活がどのように変わるのか。そこまで具体的に書くことで、提案書に説得力が生まれていきます。
活動の中では、「最初は何となく良いと思っていた提案でも、文章にしようとすると理由が足りないことに気づいた」「ペルソナを見直すと、提案の目的がはっきりした」「誰が困っているのかを書くと、提案が前より具体的になった」といった声も聞かれました。
また、先輩たちが考えた提案書の例も参考にしました。たとえば、椅子を動かすときのガタガタ音に着目し、音に敏感な人や、落ち着いて学習したい人が安心して過ごせる教室環境をつくるために、椅子の脚に緩衝材を貼るという提案がありました。
この提案が説得力をもっていたのは、単に「音がうるさいから静かにしたい」という不満で終わっていなかったからです。どのような場面で問題が起きるのか、誰がどのような不自由を感じているのか、どのような方法なら実現できそうか、費用や実施体制はどうするのかまで考えられていました。
生徒たちは、この例を参考にしながら、自分たちの提案も「思いつき」ではなく、「実行につながる提案」へと近づけようとしていました。
提案書を書く中では、グループ内で意見が分かれる場面もありました。何を一番伝えたいのか、どの方法が現実的なのか、誰かの自由を広げる一方で別の誰かが困ることはないか。そうした問いを出し合いながら、提案を少しずつ磨いていきました。
今回の授業は、ただ文章を書く時間ではありませんでした。
校内巡検で見つけた小さな違和感を、誰かの自由につながる提案として言葉にしていく時間でした。自分たちの気づきを、他の人に伝わる形に整え、紫野高校をより自由で過ごしやすい場所にするための一歩へと変えていく時間でもありました。
次回は、今回書き始めた提案書をさらに磨き上げていきます。担当の先生を「校長先生(仮)」として面談を行い、実行意義、実現可能性、生徒の主体性、安全面や公平性といった視点から提案を見直していきます。
生徒たちが見つけた「自由の芽」が、どのような提案書として育っていくのか。これからの学びが楽しみです。