Global CitizenshipⅠ~「誰もが自由でいられる世界」第2回:「不自由さ」から自由について考える~
- 公開日
- 2026/05/19
- 更新日
- 2026/05/19
学校の様子
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こんにちは、GC教育部です♪
紫野高校1年生の総合的な探究の時間「Global CitizenshipⅠ」の様子をお伝えします!1年生の総合的な探究の時間「Global CitizenshipⅠ」では、「誰もが自由でいられる世界」をテーマに学びを進めています。前回の授業では、LEGO®ブロックを使って、自分が「ワクワクする瞬間」を表現しました。今回はそこから一歩進み、「不自由さ」に目を向けました。
ワクワクしているとき、私たちは自由を感じることがあります。しかし、やりたいことがあってもできないとき、安心して選べないとき、前向きな気持ちがあっても行動に移せないとき、そこには「自由ではなさ」があります。今回の授業では、そうした不自由さに直面している人や状況について考えました。
授業のはじめには、LEGO® SERIOUS PLAY®の感覚を思い出すために、「理想の勉強机」をテーマにウォーミングアップを行いました。生徒たちは、自分にとって集中しやすい机、安心できる机、好きなものに囲まれて学べる机などをLEGO®ブロックで表現しました。その後、他の人の作品を見て、「この人は何を表そうとしたのだろう」と想像し、答え合わせをしました。同じ作品でも、見る人によって受け取り方は違います。この活動を通して、生徒たちは、相手の考えを決めつけず、言葉にして確かめ合うことの大切さを体験しました。
授業の中心では、次の問いに取り組みました。
国内外にいる「不自由さに直面している人」とは、どのような人でしょうか。
生徒たちは、自分が出会った人、ニュースや本で知った人、あるいは自分自身の経験をもとに、さまざまな「不自由さ」をLEGO®ブロックで表現しました。
たとえば、
「勉強したいけれど、何から始めればよいか分からず立ち止まっている人」
「日本語が分からず、学校や地域で周りの人と十分に話せない人」
「足をけがして階段を使えず、行きたい場所へ自由に移動できない人」
「友人関係の中で本音を言えず、自分らしく過ごせない人」
「家族の世話や家のことが忙しく、自分の時間を十分に持てない人」
「戦争や貧困のために、安心して学校に通うことができない子ども」
など、身近な場面から世界の課題まで、さまざまな不自由さが作品として表されました。ここで大切にしたのは、不自由さを「かわいそうなこと」として見るのではなく、「何があれば、その人は少し自由に近づけるのか」を考えることです。次に、生徒たちは、その不自由さを解決するために必要なことを考えました。
たとえば、勉強で困っている人には「一緒に計画を立ててくれる人」や「自分に合った勉強方法を見つけられる仕組み」が必要ではないか、日本語が分からず困っている人には「やさしい日本語で伝える工夫」や「通訳・翻訳アプリ」「安心して質問できる友人」が必要ではないか、移動が難しい人には「エレベーターやスロープ」「周囲の人の声かけ」「無理なく移動できる環境」が必要ではないか、という意見が出ました。
また、友人関係で悩んでいる人には「安心して話せる場所」や「否定せずに聞いてくれる人」、家族の世話で忙しい人には「頼れる大人」や「家事や介護を一人で抱え込まなくてよい仕組み」、戦争や貧困の中にいる子どもには「安全な場所」「学べる環境」「食事や生活を支える支援」が必要ではないかと考える生徒もいました。さらに、それらの解決策によって、その人に何がもたらされるのかを、漢字二字で表す活動も行いました。生徒たちからは、「安心」「希望」「選択」「支援」「機会」「尊重」「居場所」「自信」などの言葉が出てきました。この活動を通して、生徒たちは、自由とは単に「好きなことができること」だけではなく、安心して選べること、行動できる環境があること、支えてくれる人や仕組みがあることによって成り立っているのだと考えていきました。
今回の授業では、自由を考えるための新しい視点として、「権利としての自由」と「状況としての自由」について学びました。「権利としての自由」とは、選ぶことが認められていることです。たとえば、学ぶ自由、表現する自由、職業を選ぶ自由などがこれにあたります。一方で、「状況としての自由」とは、その自由を実際に使える環境が整っていることです。たとえ学ぶ権利があっても、安心して学べる場所や時間、道具、支援がなければ、十分に学ぶことは難しくなります。前回考えた「ワクワクする」「希望をもつ」といった心の動きは、「感度としての自由」につながります。今回の授業で、生徒たちはそこに、権利と状況という二つの視点を加えました。
自由は、「感度――ワクワクする、希望をもつ心の動き」「権利――選ぶことが認められていること」「状況――実際に選び、行動できる環境があること」という三つの要素から考えることができます。次回は、この三つの視点をもとに、「自分が自由でいられる世界」、そして「皆が自由でいられる世界」について考えていきます。今回の学びは、誰もが自由でいられる社会を考えるための大切な一歩となりました。