Global CitizenshipⅡ~「社会と私」第3回:「好き×大事×できる」から、理想の自分を考える~
- 公開日
- 2026/05/19
- 更新日
- 2026/05/19
学校の様子
こんにちは、GC教育部です♪
2年生の総合的な探究の時間「Global CitizenshipⅡ」では、「社会と私」という単元に取り組んでいます。この単元では、1年生のGCⅠで学校・地域・世界へと広げた視野を、もう一度「自分」と「社会」の接点へ引き寄せ、自分は何に心を動かされるのか、どのような形で社会と関わっていきたいのかを考えていきます。
第1回では、将来を「教師」「医者」「研究者」といった職業名だけで考えるのではなく、「人を支えること」「問いをつくりだすこと」「人と人とをつなげること」「じっくりと物事を考えること」など、自分が惹かれる“動き”に注目しました。この単元では、それを「自由の種」と呼んでいます。
第2回では、お金・時間・面倒さ・他者からの評価といった制限をいったん外し、それでもなお自分の中に残る願いや関心を「自由の根っこ」として見つめました。
第3回となる今回は、そこからさらに一歩進み、「好きなこと」「大事にしていること」「自分にできること」という三つの視点を重ね合わせながら、自分にとっての「理想の自分」を考えました。
授業のはじめには、LEGO®ブロックを使って「道」を表現し、その作品を使って「昨日の1日」について語る練習をしました。朝から夜まで、自分がどのように一日を過ごしたのかを、道の形や流れとしてつくり、作品を見ながら語っていきます。
ここで大切にしたのは、昨日の出来事を正確に再現することではありません。何気ない一日の中にも、自分が自然と向かっていたこと、大切にしていたこと、無理なくできていたことが表れているかもしれません。そうした小さな手がかりをもとに、今回の中心となる「好き」「大事」「できる」へとつなげていきました。
まず、生徒たちは「好きなこと」について考えました。ここでいう「好き」は、単に楽しいことや趣味だけを意味するものではありません。何に時間を使いたいのか、何に出会えて救われたと感じたのか、何に感謝しているのか、どのようなことに怒りを感じるのか。そうした心の動きの中にも、自分にとって大切なものが表れます。
次に考えたのは、「大事にしていること」です。好きなことが「心が向かう方向」だとすれば、大事にしていることは「自分が手放したくない価値」と言えるかもしれません。安心できる関係、公平さ、誠実さ、自由さ、挑戦すること、誰かの可能性を信じることなど、生徒たちはそれぞれが大切にしている価値を作品として表現しました。
三つ目に考えたのは、「自分にできること」です。ここでいう「できること」は、テストの点数や資格のように、目に見える能力だけではありません。人の話をよく聞けること、場の空気を感じ取れること、最後まで粘り強く続けられること、何かに気づきやすいことなども、立派な「できること」です。
また、「最近イラッとしたこと」や「挫折や後悔したこと」も、自分を知る手がかりになります。心が大きく動いた経験の中には、自分が何を大切にしているのか、何に本気で向き合ってきたのかが表れていることがあります。今回大切にしたのは、「すごい能力」を見つけることではなく、自分では当たり前すぎて気づいていなかった思考や行動のパターンの中に、自分らしい強みを見つけることです。
その後、生徒たちは、ここまでにつくってきた「好きなこと」「大事にしていること」「できること」の作品を並べ、それぞれがどのようにつながっているのか、どこに重なりがあるのかを見つめました。
たとえば、好きなことが「人と話すこと」、大事にしていることが「安心できる関係」、できることが「相手の話を聞くこと」であれば、「人が安心して話せる場をつくる自分」が見えてくるかもしれません。好きなことが「新しいことを知ること」、大事にしていることが「社会をよくすること」、できることが「粘り強く調べること」であれば、「問いを深めながら社会に働きかける自分」が見えてくるかもしれません。
最後に、生徒たちは三つの視点を重ね合わせながら、自分にとっての「理想の自分」を一つの作品として表現しました。ここでいう「理想」とは、誰かから見て立派な自分という意味ではありません。大切なのは、自分が好きなこと、大事にしていること、自分にできることを重ねたときに、自分にとってしっくりくる在り方がどのように見えてくるかを考えることです。
作品ができた後は、「どのような自分を表したのか」「好き・大事・できるのどの部分が、どのように重なってこの作品になったのか」を語り合いました。聞く側も、色・形・向き・配置などに注目しながら質問し、相手の考えを受け取っていきました。
この活動を通して、生徒たちは、「自分は何が好きなのか」「何を大事にしているのか」「何ができるのか」を別々に考えるだけでなく、それらが重なったところに、自分が本当にやりたいことの輪郭が少しずつ見えてくることを体験しました。
第1回で見つけた「自由の種」、第2回で見つめた「自由の根っこ」に続いて、今回は、自分らしい関心がどのような方向へ伸びていくのか、いわば「自由の芽」のようなものが見え始めた時間となりました。
進路や探究を考えるとき、私たちはつい「何になりたいのか」「どのテーマを選ぶのか」と、すぐに答えを出そうとしてしまいます。しかし、その前に、自分は何に心が動くのか、何を大事にしているのか、どのような力をすでに持っているのかを見つめる時間が必要です。
今回見えてきた「理想の自分」を手がかりに、次回は、それが社会の中でどのような立場や役割として表れうるのかを考えていきます。職業を単なる名前としてではなく、その奥にある役割や関わり方として捉えながら、自分らしい社会との接点をさらに探っていきます。