学校日記

Global Citizenship2 人生の指針形成[第5回:人生の指針をつくる]

公開日
2026/02/27
更新日
2026/02/27

学校の様子

 こんにちは、GC教育部です♪


 今回の記事では、2年生の総合的な探究の時間(GC2)で行っている最後の単元「人生の指針を形成する(全5回)」の第5回(最終回)の授業の様子をご紹介します。

 

 この単元ではこれまで、「幸福とは何か?」という問いを、脳科学や心理学などの視点から捉え直しながら、誰もが共通して大切にしうる幸福の要素と、一人ひとり異なる幸福の基準(価値観)の両方があることを学んできました。さらに前回は、自分の強み・弱みや、他者から見た自分の良さを整理しながら、「自分のトリセツ」をつくることで、自己理解を深めてきました。今回の最終回は、その学びの集大成として、「自分にとっての理想の人生」と、その実現に向けた「人生の指針」を言葉にしていく時間です。

 

 授業のはじめには、GC2の最上位目標である「一歩踏み出す Global Citizenになる」ということをあらためて確認しました。自他ともに自由で幸福な生活を送ることができる、共生可能な社会の実現に向けて、自分で考え、判断し、行動する。そのために、今年1年間の学びを最後は「自分の生き方」へとつなげていくことが、この回の大きなねらいです。

 

 まず生徒たちは、LEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)を用いて、「自分にとっての階段」を制作しました。ここでの階段は、いちばん下を「今の自分」、いちばん上を「10年後の理想の自分」と見立てるためのものです。作品をつくったあとは、ペアで「階段の推しポイント」を語り合い、色や形、配置に自分なりの意味を与えながら共有しました。抽象的な「未来」を、レゴ®作品として目の前に置くことで、生徒たちは将来像をぐっと具体的に考えやすくなっていました。


 その後、階段の最上段にあたる「10年後の在りたい私」を作品として表現しました。仕事・学び・余暇・愛(人とのつながり)といった観点も手がかりにしながら、これまで考えてきた幸福観や自分のトリセツを土台にして、「自分はどんな状態で生きていたいか」を言葉と作品の両方で形にしていきます。発表では、単に「なりたい姿」を述べるだけでなく、作品を見せながら語ることで、それぞれの理想像の背景にある価値観が自然と伝わってくる時間になりました。


 今回の授業の大きな特徴は、理想を描いて終わらないところです。生徒たちは次に、10年後の理想の姿へ至るまでの道のりの中で、1年ごとに起こりうる「苦難」や「困難」を考え、階段の途中に置いていきました。将来に対して前向きなイメージを持つことは大切ですが、現実には迷いや挫折、うまくいかない時期もあるかもしれません。そうした揺らぎをあらかじめ想像し、どう向き合うかを考えることで、理想の人生は単なる願望ではなく、より現実に根ざしたものとして見えてきます。

 

 後半では、そこから特に影響が大きそうな「苦難ベスト3」を選び、それぞれをどう乗り越えるかを考える活動を行いました。生徒はペアでレゴ®ブロックを活用した3Dインタビューを行い、相手の作品を見ながら、「それはどんな苦難?」「どう乗り越える?」「なぜその方法が有効だと思う?」と問いかけ合っていきます。対話を重ねる中で、最初はぼんやりしていた考えが、具体的な行動や準備、支えの必要性として見えてくる場面が多くありました。最後には、相手のために考えた「乗り越え方」の作品をプレゼントし合い、他者との対話がそのまま自己理解を深める機会になっていました。


 そして授業の終盤、生徒たちはここまでの活動を振り返りながら、「10年後の在りたい私を実現するために、自分が大切にしたい価値観は何か」をあらためて考えました。理想の未来、そこに至るまでの苦難、そしてその乗り越え方を見つめ直すことで、自分にとって本当に大切にしたいことが少しずつ輪郭を持ってきます。そのうえで最後に、自分自身の行動を導くシンプルな原則として、「人生の指針」を一言で言葉にしました。


 この「人生の指針」は、立派な言葉をつくることが目的ではありません。迷ったとき、苦しいとき、選択に悩んだときに、自分が立ち返ることのできる「自分の言葉」を持つことに意味があります。生徒たちは、それぞれの経験や価値観に根ざした言葉を考え、理由とともに発表していました。どの言葉にも、その生徒らしさがにじんでおり、1年間の学びの積み重ねが感じられる締めくくりとなりました。


 GC2の学びは、ここで終わりではありません。今回つくった人生の指針は、これからの学校生活や進路選択、人との関わりの中で、何度も確かめ直され、更新されていくものだと思います。変化の大きい時代だからこそ、自分の幸福観や価値観、強みや弱みを踏まえた「自分なりの軸」を持つことは、これからを生きるうえで大きな力になります。今回の授業は、生徒一人ひとりがその「人生の羅針盤」を自分の手でつくる、大切な時間になりました。


 生徒のみなさん、GC2の1年間、本当におつかれさまでした。みなさんはこの1年で、自分で問いを立て、考え、対話し、つくり、言葉にする学びを重ねてきました。今回つくった指針は完成形ではなく、これからの経験の中で変わり、深まっていくものです。だからこそ、今の自分が本気で考えて生み出したその言葉を、ぜひ大切にしてください。自他ともに自由で幸福に生きることができる共生可能な社会の実現に向けて、みなさんらしい「一歩」を踏み出していってくれることを願っています。


 そして、GC1・2の授業記事をご覧いただいたみなさま、1年間ありがとうございました。本校の総合的な探究の時間(Global Citizenship)では、生徒が自分自身と社会との関係を問い直し、対話と実践を通して、自分なりの指針を育てていくことを大切にしています。今後も、生徒たちが「一歩踏み出す Global Citizen」として成長していけるよう、授業づくりを続けてまいります。引き続き、紫野高校の探究活動を温かく見守っていただけますと幸いです。